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北辰テスト攻略:国語(小説)編

北辰テストや埼玉県公立入試の国語における「読解力」とは何か?について前回のポストでお伝えした。第二弾は大問①の小説について、傾向と対策を考えてみようかのう。


1.出題の傾向と特徴

小説の題材には明確な傾向があるが、荒っぽくまとめるとこんな感じじゃ。

①場面:学校と家庭や、夏休みの帰省先など、子供たちが過ごす場所
②登場人物:小学生~高校生くらいの青少年と、それを取り巻く友人や大人
③展開:主人公の子供が問題に直面しており、それを周りの人間関係を通じて克服し、自我や新しい考え方(大人の階段)に目覚めていく

イメージされる状況としては、
・チームで美術展🖼に出展する作品(又は文化祭の出し物)に取り組む
・吹奏楽📯(合唱)コンクールで上手く演奏ができない
・家庭の事情で引っ越さなければいけない(ネグレクトやヤングケアラー)
などなど。

どれも当初の主人公の理解(想像)と、最終的な他者の真実や姿が異なっていることに気づき、課題が解決したり、前向きに取り組んでいこう!というような流れになる感じじゃな。

2.構造的に気を付けること

まず、出題される小説は、ものすごく長い全体の一部だといことじゃ。したがって、問題の最初に四角囲いがあり、そこに読み始める前提条件としての主人公の紹介や、問題文の箇所までの要約、問題などが書かれている。この囲いに目を通し、場面を正確にセットできるかどうかは非常に大事じゃ。

「場面」と言うのは、劇、オペラ、バレエ💃などのステージ背景にある小道具を含む「場」のことじゃ。もちろん時空的な過去の経緯による背景もある。小説の場所が「いつの時代の、何処で、誰の何についての話なのか?」を正確に読み取れば、その後の速読がスムーズに行く。じゃから囲いはしっかり読むのじゃ。併せて、余裕があったら、文章の最後にある小説の題名と、注釈(難しい言葉の説明)に目を通そう。英語の長文などは、この注釈を読むだけで「要約」が完成してしまう場合もある。国語の読解力=要約力という話をしたが、この「囲い」⇒「注釈」を15秒で終えて、自分なりの「場面」を設定できれば、スタートラインに立てたと思って良い。

一点気を付けて欲しいのが、題材が子羊さん達の生活や年代に近いが故に、妙な先入観や必要以上の感情移入を起こしてしまう危険がある。主人公はもしかすると変わり者で、一般的な羊🐑とは違った感性の持ち主の可能性もある。逆に、子羊さんに独特な感性があって、小説のセリフなどを裏読みし過ぎてしまうこともあるかもしれん。入試の問題を読む際には、なるべく自我や独創的なアイデアは捨てて、一般的な常識人として、白紙の心で問題と対峙する意識を持って欲しいのう。

3.解き方

スタートラインからの解き方にはいろいろあるな。例えば、
①問題に目を通す
②最初から最後まで、まず全体を読む
③最初から読み、下線部に到達したら問題文を見て解きながら読み進める

どれが正解かは人によるが、一般的には③がベストじゃろう。①は時間が足りない。小説で使える時間は多くても13分じゃ。②も無駄が生じやすい。読んでいるうちに感情移入したりして、どうでもいい箇所までフムフムと読んでしまう。前回のポストで話したように、速読は5W1H(いつ、誰が、何処で、何を、どうして、どのように)という単語レベルで要約読みをする。頭の中的には、

太郎、夏休み、母の田舎、同じ年の花子出現、田舎の都会感に触れ違和感、自分の煮え切らない学校生活を思い出す、人は自分の場所を輝けるところにしなければ、スコールに濡れた体がすがすがしく感じられる

という感じじゃ。このラフな読み方を一気に行うのではなく、問題文に関連した箇所(たいがいは下線が引いてある)まで読む。下線に関連した問題の回答箇所は、下線の直後にあるパターンが多いのじゃが、難易度が上がるにつれて下線よりも後に書いてある場合が増える。したがって、下線で読み留まるのではなく、下線を通過して、その後の2,3文まで読み進めてから、問題を読むと良い。同然じゃが、問題に関連した箇所を探す際には、速読ではなく表現も含めてしっかり読む必要がある。解答の探し方🔭は次に説明する。

4.回答は「宝探し」

国語の回答に「裏読み」「独創性」「あたなの意見」などは、一切求められておらん( ゚Д゚)。大事なことなので繰り返すと、国語に子羊さん達の感性や意見、ましてや感想などは一切不要じゃ。昔を思い出して欲しい、

みんな ちがって みんな いい

みたいな文章を勉強せんかったか。実際、中学校でこの理論を生徒が実践したら、先生方は総辞職じゃな。この辺も「社会」の一面じゃが、実際には日本人が文化的に受け継いでいる「同調圧力」や「出る杭は打たれる」で世の中が回っているのは、子羊さん達でもうすうす感じておるじゃろう。そういう意味で大谷翔平さんは本当にすごいのう、、、いかん、脱線したな。

ということで「入試の」国語が求めているのは多様性やそれぞれの感性ではなく、数学のように唯一回答にちかい論理性で問題が作られていると思って良い。具体的には採点者の気持ちになるとわかりやすいぞ。大量の北辰テストを採点するとき、どうやって減点したり、満点や0点の判断をしていると思う?それはキーワードじゃ。指定語句以外にも必ずキーワードが設定されていて、それが書かれていないと3点ずつ減点、とかになっているはずじゃ。そして、キーワードは次の宝探しをすれば、自然に含まれてくる。

宝探しの前に、まず大前提として問題文の「条件」を満たさないとアウト。『やさしさ』と『強さ』を用いて、次の文章にあうように空欄を、、、とあったら、これらの言葉を入れるのは必須じゃ。加えて、問題文の一部になっている空欄を含んだ文章じゃが、これを言い換えた部分が必ず本文にある。これをパラフレーズと読んでいるが、これこそが国語の読解力であり、他の教科にも共通する概念と技術になる。パラフレーズを制する者が入試を制すると言っても過言ではない。具体的に見てみよう。

問題文に、
「ドラえもんは、のび太が〇〇〇〇〇〇〇〇ので、敢えて突き放した」
とあり、『自立』ということば使って空欄を埋めよとあったとする。

さて、子羊さん達がやるべきは、本文の中に「自立」という箇所を探す作業じゃ。これが宝探し。慣れていない子は、問題文に沿って自分の意見や感想を考え始めるが、この段階で考えることは一切不要。「自立」を本文から機械的に探す。1か所しか無ければ、その周辺に問題文を言い換えた(パラフレーズした)箇所があるので、あとはそれを書き抜く感覚で埋めれば正解じゃ。よほど変な切り抜きをしない限り、キーワードも自動的に含まれるじゃろうが、最後の最後は、子羊さん達の切り抜きの勘所(センス)に左右されるが、せいぜいしくじっても2点減点くらいで、7点丸々落とすようなことはなくなるはずじゃ。

さきほどのドラえもんが、例えば本文でパラフレーズされているとどうなっているかじゃが、例えば、

「そのとき、ドラえもんは、何かあるたびに他人に頼り、いつまでたっても自立しようとしないのび太に、断腸の思いで試練を与えることにしたのだ」

となっている。答えは、「他人に頼って自立しようとしない」となる。後は問題文の前後とスムーズにつながるか確認すればよいな。このように、語句指定がある場合は、考える必要がなく、宝探しをして、切り出して、整えるだけなのじゃ。むしろ語句指定がないと不安になるが、その場合でも、パラフレーズの意識(問題文を言い換えた個所を探す意識)があれば、同じように発見して整えて、回答することが出来る。

何度も言うが、このプロセスは数学のように回答が明確であるため、子羊さん達の多様な見解や感想を求める意図は一切なく、それが趣旨と外れた場合には、いかに常識的にあっていてもゼロ点になる。恐ろしいじゃろう?

5.選択問題

指定語句の筆記問題は6点、7点という高配点じゃが、選択問題も落とすと悲惨じゃ。特に最後の問題は小説の技法(体言止め、修飾方法、主人公の感情表現等)に関するもので最後の2択で迷う場合も多い。選択問題の基本じゃが、正解らしいものを見つけたとしても、間違っている選択肢までしっかりとチェックして取り切るしかない。後は北辰の過去問を解きながら、出題パターンへの対応力を増やして欲しい。

それから、本文中の内容に関する選択肢の方は、「感情」と「情景」の変換(パラフレーズ)に意識するのじゃ。同じ雨でも、口惜しさを表すときと、問題解決のあとの雨では描写(情景)が異なるでのう。慣れてくると、本文を読むときに「感情」と「情景」が浮かび上がってくるようになるかもしれん。これが速読の完成形じゃな。

後は、たくさんの過去問を解いて、時々、このポストを読み直して、間違えたり時間が足りなかった原因と対策を自分なりに考えて前進するのじゃ。


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