なるべく動物園(#毎週ショートショートnote)
昔からカニはいつも木の上からモノを投げていじめるサルのことが嫌いでした。
「いつか復讐してやる。なるべく動物園送りにしてやりたい」
もはや恨みといっても過言ではありませんでした。
ある時、カニが持っていたおにぎりをサルは力ずくで奪いました。
「カニは柿の種でも食ってろ!」
サルは柿の種を投げつけました。
カニは柿の種を食べることができないので地面に植えたら数年後、おいしそうな柿が実りました。でも背の低いカニは柿の実をとることができません。
「カニ、うまそうな柿があるな。これはもともと俺の柿の種だろ、だから俺のものだ」
でもサルはカニに柿の実を渡しません。
「サルさん、私にも柿の実を下さい」
「うるさい」
サルは実っていない柿の実をカニにぶつけました。
カニの訴え委により警察はサルを逮捕し、裁判にかけられることになりました。
「裁判長、サルをなるべく○○動物園送りにしてください」
カニは訴えました。
○○動物園のサル山は暴力的なボスザルが今も君臨する世界で最も荒れているサル山と言われている。
カニは法律に則り、サルに復讐し、「カニサル合戦」と名前も変わりました。めでたしめでたし。
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