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本の感想『星に帰れよ』

本日の一冊📚
表紙のインパクトあるなぁ。このピンクと青紫みたいな色、タイトルもちょっと捻くれてて、しかも強きな言い方。聞いたことのない作家さんだな。どんな人が書いた作品なんだろう。二〇〇三年、大阪府生まれ。現在高校二年生。ん、ん、ん?高校二年生!?これ高校二年生が書いたんか。最近確かに若い作家さんが色んな有名な賞を受賞するから、珍しいとは思わなかったけど、まさか今まで聞いた中で一番若い作家さんかもと。この前ラジオ聞いてたら、羽田圭介さんも高校生三年生で作家デビュー、綿矢りささんも確か高校三年生で作家デビュー。ついにそれを越した高校二年生。高校生を舞台にストーリーは進んでいき、おそらく三人の男女が中心人物なのだが、正直誰がメインとなる人物だったのだろうかと、3点の角度で見ることができる。消極的な高校生男子、自分の容姿や可愛さを武器にしたパパ活をしながら同性の友人に対して思いを持ち続けていたあざとい女子、家族関係のねじれから生まれた本当にありたい自分の姿を出せない女子という、なんとも文字で起こすと表現しづらい人物たち。内容は面白いのだが、どこかしら分かりにくい表現が散りばめられている。ラストの一文は『白い月がぼうっと浮かんで、いつまでも星を隠していた。』とあるのだが、これだけ読んでも何の話だったのか全く想像がつかない。ストーリーを読んでいても、最後の部分でこれが来ると、はてなんのことか?と思うくらいに。ここでタイトルに戻ってみると、『星に帰れよ』か。そういえば、主人公の一人の女の子のお父さんが星空のことを『墓場』だと言ってたな。でもなんで墓場だったのかは、結局読んでも分からなかったのだが。この部分の話は、この作品の中で一番好きな部分かも知れない。地球の誕生の話だ。元は地球も星の一つで、その星に生きていると同じ性格で同じ考えの人たちばかりで、あまりにも平穏で面白くないから、あえて違う考え方や色んな人たちがともに生活する地球という星を新たに作ったという話である。おかげでこの世には悲惨なことも、ひどいことも起きてしまったわけだから、もし作った人がいるなら、今ごろ後悔してるかも知れないな、なんて思いながら。想像の範囲だが、僕らは誰もが本来同じ性格や考え方を持つ存在だったとすれば、今は先に述べたようにあまりにも残酷な星で過ごし過ぎているのかもしれない。だから今一度、世界のことを自然のことをこの地球に住む全ての人が考え直して、協力し合う世界になりますようにと願いを込めた。そんな平穏な星に帰れと、強いメッセージを送ってくれた作品なのかもしれない。そう感じた一冊だった💡
『星に帰れよ/新 胡桃』

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