あの扉の向こうに『聞こえるはずのない声が』
あの扉の向こうには
「
たしかに底に沈んでいた
深い気持ちの奥にある
閉ざしたままの扉をキミがノックした
その声が聞き取れる音なのか
この心に響く熱なのか
どちらにしても涙が零れ落ちた。
きっとボクを思ったわけではない
ただそのフレーズがシンクロした
それだけのはずが
それ以上の意味を持つこともある
『聞こえるはずのない声が』ボクを刺す
心に響いたフレーズは
涙腺を意志とは関係なく崩壊させる
決して嫌なわけではない
土足でボクに入り込んだはずの歌声は
心地よい暖かささえ感じた
泣いてもいいんだよ
そう優しくキミは囁いた
だから遠慮なく流させてもらうね
この仕切りの無い窓からも見える
苦しそうなキミの
刹那そうな瞳と叫びを受け止める。
重なり合った想いを今この場所にて
今日はボクが代わりに涙を流すよ
まだキミが泣くのは時期尚早だから
この道のもっと先で感極まり流す時まで
まだお預けだから
ね、ゆびきりげんまん。
」
そんなキミとシンクロしたある日、ある肩代わりの約束をする物語。。
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