あの扉の向こうに『悲しくて泣きたくて泣きたくなくて』
あの扉の向こうには
「
助手席の隙間に見つけた
可愛い花柄のハンカチ
『悲しくなって泣きたくなる』
心の奥にしまい込んでいた
キミへの思い出が溢れ出す。
いつかあの水族館に
クラゲを観にいこう
そう言っていた記憶が蘇る。
ベッドに横たわっていたキミは
『悲しくても泣いちゃいけなくて』
ここを退院したら
いろんな場所に二人で行きたいって
そう願っていた。
車のシートの隙間まで
見てなかった事に後悔しつつ
ガランとした助手席に
不思議と懐かしい匂いを感じた。
少し忙しい最近だから
心配して顔を出してくれたのか
放ったらかしにしていたから
キミが寂しがったのか
ううん、きっと両方だね。
『悲しくて泣きたくて』
突きつけられるキミがいない現実を
『悲しくても泣きたくなくて』
意地を張ることに虚しさを感じる。
最後に誓った
「ずっと一緒だからね」と
「わかってる、ずっとだから」
『泣きたいけど泣きたくなくて』
キミの最後の笑顔にボクは笑顔で返した。
安堵を浮かべながら
手をにぎり眠りにつくキミ
目覚める事のない綺麗な寝顔のそばで泣きながら・・・。
まだキミと一緒にいる事を確認できたよ。
」
そんな『悲しくて泣きたくて、でも笑顔を見せたくて』この想いをずっと守りキミを思い出す物語。。
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