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あの扉の向こうに『Kissはじめました』

あの扉の向こうには


休日の午後

その日の陽射しは暑く

汗も滲み出る昼

ちょうどヤボ用でミナミに出る。

買い物を済ませ

メトロに向かい歩いていると

異様なまでも

キョロキョロしている女性が

佇んでいた。

きっとそれだけなら

道に迷ったのかと思うのだが

そのうち屈みこんだのだから

具合が悪いのかと思い

声を掛けてしまう。

「どうかされましたか?」

そのひと言がきっかけで

全てが始まった。

それがただの腹減らしだという事を

聞いたのは『Kissをはじめた』後。

行きつけの串揚げ屋で乾杯し

「粗ごしみかん酒」を美味しいと飲み

喉も乾いていたらしく

すぐさまおかわり

空腹にそれは酔ってしまうよね。

いい感じに酔っぱらった見ず知らずの彼女を

宿泊先のホテルに連れていき

そのまま立ち去ろうとした時

廊下でいきなり抱き付かれた。

「えっ?」

頭がパニックになり時が止まる

そして首を引き寄せた彼女は

唇を奪っていく。

お酒の勢いもあった

それが最初の『Kissはじめました』

まんまと罠にはまり

暑い一夜を共に過ごすことになる。

次の朝、ホテル代を建て替えさせられ

その日のうちに

また『Kissはじめました』

そうして彼女と付き合う事になる



そんな偶然から籍を入れるきっかけ『Kissはじめました』の物語。。


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