【読書日記】1/10 初戎。「歳時記/新年」

新版 角川俳句大歳時記 新年
著者 茨木 和生 (編集委員),宇多 喜代子 (編集委員),片山 由美子 (編集委員),高野 ムツオ (編集委員),長谷川 櫂 (編集委員),堀切 実 (編集委員),角川書店 (編)


全五巻堂々完結!と誇らしげな帯によると、季語・傍題併せて1万8000語以上、例句5万超を収録し、「圧倒的な規模を誇る俳句大歳時記の最高峰」だそうです。
確かに、五巻並んだ様は圧巻です。
昨年の春から、一年かけて5巻が出版され、贅沢???とためらいつつ揃えてしまいました。
正直なところ、句作に使うという意味では私ごときには分不相応。
もっと一般的な季語に絞ってカラー写真満載のものの方が使いやすいです。
ですが、歳時記を読むのが好きで色々揃えてしまいます。

なぜなら、言葉を増やすのは世界をふやすこと。
名前を知ることで人は対象を認識します。雑草と一緒くたにするのか、「はこべ」「なずな」と名前を知り「繁縷」「薺」と立派な漢字を持つことを知るのかで、小さな草花への向き合い方が違ってきます。 
寒い、ということでも 秋に入って暑さが収まるころの「冷やか」に始まり立冬前の秋の寒さは「秋寒」さらに「そぞろ寒」「やや寒」「肌寒」「うそ寒」と微妙なニュアンスの違いのある寒さがあり、本格的に冬の「冷たし」「寒し」「凍る」「冴ゆ」「厳寒」と来て、寒さが緩んだ立春後の寒さのぶり返しは余寒、春寒、桜の時期の冷え込みは花冷え、梅雨時の寒さは梅雨冷と呼び分けることで、季節の移ろいを肌で感じることが出来るようになります。
言葉を増やすことは、日々の暮らしをより豊かにする一番簡単な方法かもしれません。
また、自分の知らない行事や風習も新たな世界への扉となります。
今日は初戎。
一月十日に行われる恵比寿神のお祭りです。
私の住んでいる地域ではあまりなじみのない風習ですが、ニュースでも各地の祭事について取り上げていました。商売繁盛のお祭りですから、あやかりたいものです。
 また、11日(10日、4日とも)は『帳綴・帳祝』の日でもあるそうです。一年間に使う帳簿を紙縒で綴じて表に「大福帳」と書き入れその年の商売繁盛を祈念します。
 おお、「日本永代蔵」の世界です。素敵じゃないですか。
 商家では大福帳(帳簿)はとても大事にされ、火事の際には、とにかく帳簿を守ったのだそうです。
今後、電子帳簿保存法もあり、紙の帳簿は消えていくのかもしれませんが、健全な経営は、適切な会計帳簿に支えられていることは変わりません。行事としては廃れてもかつての商人たちが帳簿を尊んだ気持ちを受け継いでいきたいものです。

 三連休明けで、いよいよ仕事も本格的に始まるところも多いのではないでしょうか。
 祈 商売繁盛、福徳円満!