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【読書日記R6】9/4 ん?小鞠ちゃん?「Mo story 子猫のモー/ チェ・ヨンジュ」

Mo story 子猫のモー
作・絵 チェ・ヨンジュ / 翻訳 矢部太郎
発行 玄光社

光る君へ、の素敵従者・乙丸さん(矢部太郎さん)が訳した韓国の絵本。
絵や漫画、最近はエッセイも上梓していましたが、翻訳もこなされるとは。
多才ぶりに驚きながら手に取りましたが、思った以上に素敵な本でした。

子猫のモーの毛並みが、「光る君へ」に出てくる「小鞠ちゃん」に似ているのもなんとなくうれしい。

「1ページ1ページ、額に入れて飾りたいくらい」と矢部太郎さんが帯に書いてました

ある晩、「笑っている光」を見つけた子猫のモーは、その正体を探りに森へと向かいます。

フクロウ、ヤマガラ、キタリス、アライグマ、カヤネズミにトナカイ…、

たくさんの動物たちに出会い、たくさんのことを学びながら、モーは旅を続けます。
皆が口々に「クマに気を付けろ」と警告します

さあ、モーは恐ろしいクマに出会わず無事に「笑っている光」を見つけることができるでしょうか?

物語の形式としては「行きて戻りし物語」。
主人公が冒険にでかけ、困難に立ち向かい、出会う人たちに助けられ、目的を果たして家へ帰ってくる成長譚。

とぼけた味わいと行き届いた繊細さのバランスが心地よいイラストと動物たちと繰り広げる体験談が、すこーし予想から外れていて、そこが楽しい。

そして、ふんだんに散りばめられたモチーフのかわいらしさ、滑稽さ、楽しさにとりこになります。

葉っぱをくるっと丸めたコップで飲む冷たい水とか
モーがお腹を空かせて思い浮かべるお母さんの手料理が「メダカの天ぷら」だとか。
小さいカヤネズミたちがモーと話すとき、だるま落としのように積み重なっているとか。
「おいしいきのこ~きのこを食べると笑っちゃう~」と毒々しいきのこを持っていくトナカイとか。
落ち葉を組み合わせて作った傘とか。

だからどうした、と言われればそれまでなのですが、こういうちいさなところが好きです。

モーと一緒に森の探検をお楽しみください。

「栄養たっぷりの虫」を食べさせるためのToDoリスト。


アライグマのコックさんは料理の味が決まらず悩んでいた
笑いキノコで躁状態のトナカイたちによるお芝居。テーマは「クマの口は臭い」
おかえり。