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2020 やっていきたいこと Vol.3

はじめに

本気のコンテンツマーケティング、「分かっている」マーケティング、他の流儀、巷にあるものとどう違うのかもザッとまとめておこう。まずは見せ方、表面の部分を取り上げる。イメージは、ジャズ。※ ジャズには全く詳しくないから、相当な割合で先入観を交えて語ります。あらかじめご了承ください。

「変わり者」は悪目立ちしたくない

結果的に耳目を引くのはOK

他のコンテンツマーケティング、(Web)マーケティングとの違いを考えていた時、ふと目に留まったのは、『けものフレンズ』のOP、「ようこそジャパリパークへ」の、プラチナジャズのアレンジ。最初は面白いアレンジ、いいアレンジだなと思った程度だけど、ちょっと考えると大きなヒントに。

上質なジャズのいいところは、自分たちが目立とうと思って目立っていないところ。ダンスホールやバーでかかるBGMであり、その場にいる人たちを楽しませる、他のことを引き立たせながら、結局は演奏が良くて目立ってしまう、目を引いてしまう。その控えめさ、佇まいが個人的には非常にいい。

知っている人はどんどん奥へハマっていけるし、知らないなら知らないで「顧客」にならない。過剰にアピールすることもなく、良質なものが過去から未来へ受け継がれていく。名プレイヤーもいるし、色んなスタイルがある。何より自由、掴みどころがあるようでいて正体不明な感じもまた理想的。このスタイル、佇まいや見せ方は目指す方向に近いと思っている。

「変わり者」が擬態をするのは、目立ちたくないから。目立った結果、妬みや嫉みを受けた経験がある、またはもっと直接的な痛い思いをした経験がある、から。何者も寄せ付けないレベルになるまで、下手に目立たない方がいい。それが「変わり者」の生存戦略(だと個人的には思っている)。

翻って、昨今の風潮を鑑みると、兎にも角にも中身の質はそっちのけで、目立つこと、耳目を引くことだけを考えているように思える。その結果、事前の期待値を下回って、リピートに至らない。最大瞬間風速で飽きられる前に初期費用を回収できればいい、次に来たら店がない、みたいな事例もチラホラあるように思える。

目的が「儲けるだけ」、即座に切り替えて次から次へ手を替え品を替え、体力に任せて頑張れる人たちならそれでもいいのだろうけど、スロースターターなタイプにそれはしんどい。一つのことを追求し続けて他の追随を許さないという(一部の)「変わり者」にそれをやらせ続けても疲弊するだけ。勝ち目は薄くなる。

結局のところ、目立ってしまう、注目を浴びてしまうのは手段や結果であって、目的ではないということ。短期的に利益を上げることを追求しすぎない、稼ぐこと、売り抜けることだけを考えてマーケティングをしないこと。ガツガツするなら、自分たちの商品、サービスを磨き上げることにそれを使う。それ以外のスタイルは、結局のところスロースターター的に「正しくはない」ように思える。

目立つ以上に、愛されないと

利益の前に、相手の満足が重要では?

映えること、目立つこと、とにかく財布を開かせること。それもマーケティング、戦略的に大事な時もあるけれど、それ一辺倒のワンパターンでは長続きしない。一対一の顧客相手にも、商売を展開する業界、市場的にも敵を作り続けることにしかならない。

「良いものを作れば売れる」というつもりはないけれど、「そこまで良くないものを取り繕って売る」のは最悪。まず、「良いものであるかどうか」は最低限のラインだと思うのだけれど、昨今のブームになる商品、IT系スタートアップはそこがね。サービスとして満足できるか、十分な品質かどうかは気にしたいし、それを支えるだけのマーケティングをしなきゃいけないとも思う。

だから、目立つこと、耳目を引くことから入らない。多くを集めるより、きちんと「顧客」を見定める。その領域の通な人に気付いてもらう、好きになってもらう、愛してもらう。何年経っても記憶に残るような印象を届ける。それをサポート、演出する。そのためには、土台になる商品、サービスがいいものでなくてはならないし、コンテンツ、コンテキスト、マーケティングも良質なものじゃなければいけない。

だから、狙う領域、戦い方としては「ジャズ」のイメージ、自由にやっているように見えてしっかりした鍛錬が裏打ちされているスタイルは、しっかり守りたいし、「そんな感じがする」と思ってもらえるまで色んなものを高めて行かなきゃいけない。

もう一つの理想は、「覚えてもらう」

積極的に目立って行かないけど、しっかり根付かせてもらう

ジャズ以外の理想は、『仮面ライダーオーズ』の劇場版、『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』。電王が絡んだ今作の終盤、「人の記憶が時間を作る」ところから、人がライダーへの想いを忘れない限り、「ライダーはいつでも甦る」を示したシーン。

過剰にアピールはしないけど、多くの人に深く愛してもらう、好きになってもらう。何年経っても覚えておいてもらう、思い出してもらう。そんなコンテンツマーケティングができれば、それ以上のものはない。

今、巷に溢れるコンテンツマーケティングで果たしてそれが可能だろうか? 流通している(Web)マーケティングで、何年も覚えてもらえるような商品、サービスが広がるだろうか、根付くだろうか。甚だ疑問だ。

資本主義、儲け優先主義には知らない。別の言い方をすれば、目立つこと、分かりやすいことに躍起にならない。健康寿命はどんどん伸びるのに、商品や会社のライフサイクルがどんどん短くなってどうする? ロングエンゲージメントは当たり前、エイジングが楽しめるサービス、関係性づくりを考えていくべきでは?

それをやる上で、敵を増やすやり方はやらないこと。嫌な記憶を残さないこと。下手にアピールしないで、向こうから好きになってくれるやり方を考える。好きになったらとことん奥行きが広い「沼」も用意しておくこと。いつまでも飽きない魅力を発信し続ける、魅力を高め続ける関わり方を、これからのマーケティングではやらなきゃいけない。そんな風に、こっそり思っている。

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