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2019年8月号 色鮮やかな夏の盛りです

春夏秋冬亀成園便りの8作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。 

【亀成園便りここから】

 8月に入ってから一気に夏日が続くようになりましたね。ようやく梅も干せてふっくらしょっぱく仕上がり、夏のお守り食として活躍してくれています。お弁当の他、煮物や和え物にも梅干しがあると、なんだか安心感が増します。

 夏野菜も今年度はなんだか出来がよいです。朝畑に降りて、あれやこれやを収穫しているとあっという間にザルいっぱいになり、毎日野菜に追われるのが嬉しいやら大変やら。ろくに採れなかった2年前を思えば夢のような収穫です。
 野菜の自給は季節によって、その年の出来によってどうしても偏りがあり、日々のバランスをとるのはなかなか難しいですが、緑色ばかりにしてみたり、赤や紫を目立たせてみたり、色も飽きずに楽しむことができます。黄色はもちろん卵の出番ですね。

 夏といえば虫の多い季節でもあります。刺したりやかましかったり嫌われ者の虫も数多い中、人気のあるのはやはりカブトムシ・クワガタムシですね。栄養のある土には幼虫が埋まっているので、昆虫採集に行かずとも次々現れてくれます。どこから紛れ込んでくるのか夜に家の中でゴソゴソ動いていることもあり、ドッキリさせてくれますよ。
 私が街で暮らしていた小さな頃は、夏の虫との触れ合いはセミの抜け殻がほとんどでした。時々カナブンを捕まえたりバッタを追いかけたりしたぐらいでしょうか。だからオニヤンマを捕まえたのもハチに刺されたのも飯高町の亀成園で暮らすようになってからです。だから今、図鑑でなく目の前でカブトムシのオス同士が戦うのを眺めて大喜びの子供がつくづくうらやましいですね。

 鶏の世話をし、畑仕事もし、草刈りもして時間があれば川が待っています。上流なので晴れていても水は冷たいですが、川の中で夏の音を聞くのは豊かな時間です。今後は釣りもカヌーもできたらいいな。

【亀成園便りここまで】
楽しく盛りだくさんの夏便りです。最後の行で、「釣りもカヌーもできたらいいな」とあるのを今改めて読むと驚きました。釣りはちっとも上達しませんが、もう3月の渓流釣り解禁から園主のお父さんと子供たちが当たり前にするものだし、カヌーも毎年体験しているような気がしていたのに、乗っていなかった時期もあったのですね。

変わらない四季の巡りの中で、自分がどう変わっているのか。懐かしさや新鮮さを感じながら誰かの共感があればとても嬉しいです。

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