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2019年12月号 師走の風も優しくありたい

春夏秋冬亀成園便りの12作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。 

【亀成園便りここから】

薪ストーブが恋しい冬がやってきました。山と川が近くて風の強い飯高町は正直寒さは厳しい土地ですが、霜の降りた草や、見上げると白い山、凍った滝などはどうにも美しく、冬も楽しみが多い季節です。寒い日には温かい物を食べる幸せもありますしね。身体を冷やさない食事、気を付けたいですね。
人の活動が減ってくる冬は、鶏の産卵率も落ちます。羽の抜け替わりで産まなくなることもあり、平飼い卵屋は報われにくい冬です。けれど今年の亀成園では昨年生まれの烏骨鶏が羽もふわふわのまま頑張ってくれていて、今までになくよく産んでくれます。こっちがだめでもあっちがあり、逆もまたありますね。
産卵箱に固まって入っている烏骨鶏たちはふわふわでぬくぬくで見ているこちらもほっこりします。赤玉を産む鶏たちも冬は寄り添って過ごしています。若い雄鶏たちが「コケコッコー」と鳴くようになりましたが、まだ音が合わず、間の抜けた声を聞かせてくれます。鳥の声も練習が大事だとはなんだか面白いものですね。

山で暮らす憧れ仕事の一つに、しいたけを始めとするキノコ栽培があります。2年前にクヌギのほだ木を頂き、椎茸の菌打ちをしたので、今年はわんさか採れるはずだったのに、なかなかうまくいきませんでした。何個かは出てきてくれたのですが、自家用にも物足りない程度です。飯高近隣市町にはキノコで有名な方も多くいるので、習わなければなりませんね。

自然にほんの少し手を貸して、作物に育ってもらうことをズシンと教えてもらったのが今年の米作りでした。初めての作業をたくさんして、100キロほどの収穫でした。初めての自家米卵かけご飯はあっという間に食べてしまいましたけど、こうして生きていきたい思いを強くするのに十分でした。

写真の大きな招き猫は、隣の飯南町で制作されたわらオブジェです。毎年秋に作られ、春まで路上で公開されています。大きな手で招きたいのは財より人だとか。大きな福がありますように。

【亀成園便りここまで】

わらオブジェは毎年楽しみにしている風物詩で、初詣にも行くスポットです。自然が与えてくれたわらで、人々が力を合わせて創る大きなものにとても惹かれます。
この年の冬は例年より寒かったのか、凍った滝(氷瀑)が見られたことも印象的でした。めぐる季節は予想しきれないところがありがたいです。

次回で1月号となり、亀成園便りを出して最初の一年が過ぎていきます。

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