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競走馬ランジョウからゴールドミルクを愛する藍姫の日常

藍ちゃん。
藍姫さん。

藍姫さんは、女子が嫌いだ。

ゴールドトレジャーが、お父ちゃんに悪い様に、
実は藍姫は、非常に私に厳しい。

もちろん私は可愛くて堪らないので、

「あーいちゃん❤️」

と手を差し出すと、威嚇する訳でもなく、眼光の圧だけ激しく

スッ……

とよける。

そして、私のいる反対方向へとゆっくり歩いていく。

藍姫は非常に美形な顔立ちをしているので、よける姿も絵になるのだが、差し出した手がなんとも寂しい…。


迫力満点。おそろしく圧のある眼光…。しかし厩舎一の美女

しかし…

藍姫が執着をみせる、この世でたった一つの存在がある。

ホットミルクこと、ゴールドミルクだ。

ゴールドシップという、偉大な父を持った二頭。

とにかく離れると泣き喚き、放牧中もミルクの側に帰りたがる。

いつのまにか、無二の親友…?姉妹となっていた…。

ミルク自体が、非常に大人しく良い子なのが幸いしたのか…
血縁故なのか…

真相は分からないが、とにかくビビる程に仲良しになった。

私が他の馬を触ると激怒し、拗ねて大変なトレジャーの前では、ミルクに触る事は御法度…。

そして、藍姫の前でミルクに触ると、藍姫はミルクに触った事に激怒する…。

どうにもこうにも、ミルクに触らない日が続き、あんなに恋焦がれたミルクちゃんは、遠い場所にいる。

お父ちゃんにパツッといかれた、短過ぎる前髪なんて
気にしない。

いつもクールな藍姫さんも、黒糖の誘惑には勝てず
前髪を切られたが、食い意地の張り方が格段に上の
ゴールドトレジャーに比べると、やはり暴れ方に
気合いが入っているので、一番変な頭になった…。

ちょっと長めの顔なのに、一番短くなってしまった藍姫の前髪

どんな意図があるのかは謎だが、今日もゴールドトレジャーは藍姫にチョッカイをかける…。

ギャン!!

と一発唸られると、お尻で柵を押しては逃げる。

藍姫は強い。

ミルクをこよなく愛し、とにかくトレジャーがウザい。

そして女子嫌い…
かと言って、男子が好きな訳でもない。

結論、藍姫さんが好きなのは、ミルクだけ。

ミルクの隣で今日を生き、明日を迎える。

それが藍姫にとっての最高の馬生なのかもしれない。


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