見出し画像

ホンダ ステップワゴン 1.5G EX(CVT)

くるまの状態:ディーラー試乗車

先代や先々代のおもちゃ感、ワナワナするドアの剛性の低さを覚えていたのでさほど期待していなかったのだけれど、ここがキチンとしている。
ムリに新奇性を狙ったダッシュボードの作りは好みが分かれるところかもしれないけれど、スカンジナビア系雑貨を感じさせるカジュアルな木目は明るくていいかもしれない。シートのポジションもキチンと取れる。
大概のドライバーがこれの調節を怠っていて、ひどい姿勢で運転している場面を見かけるけれど、このクルマにはその言い訳が効かないだろう。シートリフターを真面目に使えば、外から丸見えと感じるくらい広い視界を確保できるはず。

話題のワクワクゲートの支柱も気にならなかった。
走り出してすぐ分かるのは操作系がとても素直だということ。ブレーキは踏んだ分だけ踏力が伝わるし(日本車は案外少ないのだ)、ステアリングの感覚は自然で、普通の乗用車のレベル以上の素直さを感じ取れた。

注目のダウンサイジングターボはあくまでも黒子。
とても静かで黙々とシゴトをこなすえらい奴だ。CVTの変速もだらだらしない品質の高いもの。ロードノイズも拾わない。あのクソでクソを煮詰めたようなオデッセイ・アブソルートの酷い足廻りとは別物だ。

そしてあんなに背が高いのに重心がとても低い。
どういう仕掛けなのかはわからないけれど、結構アグレッシブな曲がり方をしても、きっちり後輪が付いてくる。一瞬ミニバンということを忘れるレベル。これは佳作だと思った。
このテのクルマがどうしても欲しいという方は一回試してみて損はないハズ。


これも好みの問題だけれど、郊外のDQNのココロを鷲掴みするようなSPADAはやめた方がいいでしょう。思い切り悪趣味だ。
田舎臭さとダサさの集積体に乗るのは人間のレベルを数段階低く見せるだけで良いところは全くない。
肩肘を張っていない標準仕様を自分なりにカスタマイズするのがクールな使い方だと思った。