マガジンのカバー画像

小説

28
運営しているクリエイター

#バッカ

背中5   憑 狂 ~ツキクルウ~

背中5   憑 狂 ~ツキクルウ~

「お兄ちゃん!? どうしたの!?」

 昼休み、画廊のドアが開いたチャイム音で、食べかけの弁当を置いて表に出た私を見て、お兄ちゃんが両手を上げて、ひらひらと振った。

「突撃、職場ほうもーん」

「もう! やめてよ、そういうの! お客様の迷惑になるでしょ!」

 大きなバックパックを肩にかけたお兄ちゃんは、そんなに広くもない画廊の中を、しつこいほどにキョロキョロと見渡した。

「おお、団体様がいら

もっとみる