英国大学院出願記録(2020年度版)

このnoteを読んでわかること

出願スケジュール、Deferral request(入学延期申請)、日本大学院とイギリス大学院の二重学籍

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はじめに

筆者は2019年末にイギリス大学院(ケンブリッジ大学、UCL、マンチェスター大学)の4つの修士課程に出願し、いずれも合格の結果をいただきました。私自身様々な和文ブログを漁って情報収集し合格まで漕ぎ着けたので、その恩返しとして、ネット上の情報集積を通して将来イギリスへの大学院留学を目指す方の一助になればと思い、このnoteを書いています。

出願の細かい流れなどは、大学のサイトや他のブログでよくまとめられているため、今回は省略します。私の場合、日本の大学院に在籍しながら修士留学をするという変わったやり方なので、その点にフォーカスしながらご紹介できればと思います。

出願のスケジュール

2019年7月 

二人の教授に推薦状の依頼メール

UCL Summer School参加とケンブリッジ大学、UCL、マンチェスター大学、TU Delft見学

2019年8〜9月

日本の大学院入試対策があったので、英国大学院の出願準備は進まず。

国内の私設奨学金の申し込みはこの時期にあるものが多いので、そちらの申し込み。

2019年11月

(10月受験の予定が台風のため延期になっていた)IELTS受験

2019年12月

IELTS結果の受け取り

Cambridgeの奨学金締め切りがあったので、慌てて出願(+推薦状の催促)

Cambridgeの1コース、UCLの2コース、Manchesterの1コースに出願

2020年3月

2日 UCLの1コースから合格通知

5日 UCLの残り1コースから合格通知

30日 UCLにDeferral request 提出

2020年4月

28日 UCL deferral request has been approvedとの連絡

2020年5月

5日 University of Manchester から合格通知

2020年6月

1日 University of Cambridgeから合格通知

8日 University of CambridgeのCollege から受け入れ通知

このように、出願は1年がかりです(学科試験がないので、日本の大学院入試よりは楽ですが)。本来9月に出願受付の大学が多く、またイギリスの場合は出願の早い順に場所が埋まっていくので早ければ早いほうが有利ですが、私は12月出願なので遅めです(日本の大学院入試で燃え尽きたり、IELTSの基準が前年から変わって再受験する必要があったり、卒論の期間と被るなどしたため)。

また、結果発表も6週間が目安と出願時連絡がありましたが、実際には3〜6ヶ月ととんでもなく時間がかかるので、首を長くして待つしかありませんでした。

Deferral request(入学延期申請)について

日本の大学院とは違い、イギリスの多くの大学院では、入学を1年程度まで遅らせることのできるdeferralという制度があります。

私は、日本の大学院から合格通知を受け取った時点で、英国大学院へは1年間のdeferral request(入学延期申請)を提出することを考えていました。というのも、日本の修士課程途中で留学すれば3年間で2つの修士号が取得できるため、いっそのこと2つ大学院を卒業しようと考えたのです(詳しくは「二重学籍について」の章を参照)。どうせ3年間大学院生をするなら、2020年留学だろうと2021年だろうと大して差はないので、1年間入学をまって貰おうということです。

それ以外にも、奨学金が決まらなかったこと、学部、日本の大学院、英国の大学院で専攻が違うため、留学までに日本で勉強しておきたかったという理由もあります。

このdeferral requestというやつはなかなか厄介で、受験生が出せるのは基本的に'request'でしかなく、最終的な決定権があるのは大学です。なので、deferral requestを出してもrejectされる可能性があるのです。(話によるとよっぽどのことがなければrejectされないのではないかとのことでしたが)

大学によっても制度が違うので注意しましょう。UCLは1年先延ばしが可能ですが、Cambridgeは1年未満のDeferral requestしか受け入れておらず、しかもrejectされれば元のofferが取り消されます。

なお、私の場合は1ヶ月経たないうちに許可が下りました。

二重学籍について

UCLから合格通知を受け取った3月の時点で、日本の大学院への入学は確定していました。必然的に、「日本の大学院に在学しながら英国大学院に在籍する」状況が生まれます。いわゆる二重学籍です。

二重学籍が果たして公式に認められるかという問題があり、これには一悶着ありました。大学の方針によって変わるところなので個別に確認するしかありません。日本の大学院と英国大学院双方に確認した結果、問題なしとの確認が取れました。

最後に

結局、私の場合は

2020年4月〜2021年8月 日本の大学院で授業(卒業単位を取り切る)

2021年9月〜2022年9月 UCLに在籍し日本の大学院は休学

2022年10月〜2023年3月 日本の大学院に復学(2年間の卒業要件を満たすため)

というスケジュールで3年間過ごす予定です。ただし、最後の半年は卒業要件を満たすためだけに日本の大学院に復学するので、実質2年半で2つの学位を取ることになります。日本での就活の期間を考えなければ、日本で2年かけて1つ修士号を取るのと比べ時間的なコスパは良いと言えるでしょう。

Deferral requestと二重学籍という裏技的な手法でこのスケジュールを可能にしましたが、繰り返す通り、これが認められるかは日本とイギリス双方の大学への確認が不可欠です。

英国大学院への出願を目指す方の参考になれば嬉しいです。


今後は、出願前の学校見学、Personal Statementの書き方、二重学籍の一悶着、私の専攻についても、noteを上げていければと思っています。

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