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小詩集~きさらぎ、着ぶくれて見上げる空に光あり

見出し写真、京都八瀬。


きさらぎの 夜気おだやか

かたりあう しら梅の花

あかねさす 異郷の花

いまだ知らざる あこがれの国

きさらぎ


まだ着ぶくれて

見上げる空に光あり

花は地軸の傾きをはかり

さだまらぬ座標をゆらして

私の歩みを引き止める

めまいがしたのは花のいたずら

断酒会の帰りに


きさらぎのつかのまの暖気に

満開の十月桜

冬咲く定めといいつつ

温もりはありがたい


桜という概念も

ひとつの思いこみ

今どき咲いても愛でる人は少ない

咲いていることを気にもとめない

人は物を見ているのではなく

思い込みを見ている

そうして見えなくなった日常

意識に止めない断酒会

青ざめた歴史

息吹きなき自意識


一日断酒という時間の発見

物を見よう

命を見よう

思いこみの包みをはがして


また来週も例会出席

ささやかな約束に生きる

来週は寒くなるらしい

💩こんな●●●は

いちども体験したことない

なぜ●●●はこんなふうに空想されるのか

それは私の分身

私の神様だからにほかならない

宇賀神さま

弁天様が頭にのせて

澄ましがおなさっている

あれが●●●ならば

それはそれなりに

ありがたやありがたや

時はきさらぎ

暖冬の陽射しに

宇賀神さまは冬眠もできず

寝不足でぎらぎらなさっている

われは荒御魂なり

災いの時代の来るべし


きさらぎのぬくき陽射しに枝芽吹く

風のかなたに月おわします

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