おたふく風邪の後遺症からの
また夏祭りがやってくる
二十五才の夏
おたふく風邪の後遺症の倦怠感
突然始まった心臓発作
呼吸困難
天神祭の花火の音に怯え
布団をかぶり耳をふさいでいた
発作が怖く電車にも乗れなかった
どんな薬も効かず
静かに飲む酒だけが
生きるよすがだった
やがて酒が体を蝕み
発作への恐怖と
酔いをもとめる断ち切れない循環に
かろうじて命をつないでいた
ひとを愛するときめきも恐怖だった
❤❤❤❤
そんな私を
愛してくれた人がいた
ゆっくりと時の移ろうのを待ちながら
心臓の鼓動に耳をすませ
何ヵ月もかけて
発作ではない脈拍のたかまり
あえぐ深い呼吸へ
誘われ
喪った時間のすべてを抱きしめ
濃密な抱擁のままに
いくたりかの季節を味わった
あなたは命を吹き込み
すべてを感受しあい
呪縛が解けたのを知って
去っていった
互いに孤独にしか究極の命は
無いのを確かめて
🍀🍀🍀🍀
また夏が巡り来る
すでに究極の祝祭を知り
あえて祝うべき作為も求めず
苦しみからは逃れ
お天気にぐちりながら
歳をとるのもいいものだと
つぶやいてみる
さあみなさま
それぞれの祭りの
はじまりの
夏至がきましたよ
🎇🎇🎇🎇
PN雀の涙
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