見出し画像

英語の勉強禁止!思考言語としての日本語の重要性

おはようございます。
九州で代書屋をしています、
一般ピープルの、かめいです。

先日、英語の翻訳の仕事をされている方とお話をする機会がありました。その方は、翻訳以外にも、中学生や高校生に、個人的に英語を教えているとのことでした。
その方が、
「最近の子供って、桃太郎の昔ばなしとか、知らないんですよね。そのかわり、白雪姫とかの話なら知ってたりするんですよ」
と言われていました。

どういうことかというと、小さいころから英語の勉強を始めているので、
その英語の勉強の中で、英語のお話しとして、白雪姫を取り上げているとの
ことでした。
このお話しを聞いている時は、最初は、今はそんな時代になったんだな程度で話しを聞いてたのですが、その後、深刻な内容になってきました。

「中学生にも英語を教えているんだけど、英語がまだ十分に理解できていないというのは、今、勉強しているんだから、それはわかる。それよりも、今の中学生は、日本語がおかしい、というより、ちゃんとした日本語を書くことができない」
と言われていました。

中学生に、英語を訳させると、そもそも、日本語として成立していないような、日本語を平気で書いてくる、とのことでした。最初は、英語をよく理解していないから、日本語も、へんな訳文になるのかなと思ってたとのことですが、英語と関係なく、日本語の文章を読ませたあと、自分の考えを日本語で書かせた時も、日本語として成立していない日本語を平気で書いてきたとのことでした。
中学生ともなると、少なくとも、小学生の6年間で、日本語をしっかり勉強してきているはずなのに、なぜ、自分の考えを日本語を書くことができないのかと、その英語の先生は考えたとのことでした。
そして、その大きな原因として、小さいころから、英語の勉強を行っていることにあるのではないかと思うようになったとのことでした。

人間は、頭の中で思考をする生き物です。そして思考をする時には、言語を用います。この思考をする時に用いる言語のことを、「思考言語」と言います。
多くの日本人は、日本語を思考言語としています。私は、日本語しか話せませんので、当然、思考言語は、日本語です。

私が「思考言語」という言葉を初めて聞いたのは、もう20年以上も前ですが、エヴァンゲリオンというアニメの中でした。

エヴァンゲリオンのアニメで、惣流・アスカ・ラングレーという女性の主人公が、エヴァンゲリオンという人型のロボットに搭乗する時、

「思考言語として、日本語を選択」

と言う場面がありました。

この時に「思考言語」というものがあるんだと、初めて認識しました。
私は日本語しか話せませんので、当然、考えるとき、つまり思考をする時は、日本語で思考します。
しかし、エヴァンゲリオンの女性の主人公は、日本語とドイツ語を話す、バイリンガルですので、思考をする時に、思考するための言語を選択するということになります。

ここで、この思考言語というものですが、どの言語を思考言語にするかといことは、非常に重要になってきます。
なぜなら、人間は、思考をする生き物であり、その思考したことに基づいて、行動をするからです。
ですので、正しい思考をするためには、思考をする言語について、正しい理解力をもっておくことが必要です。
正しい理解力を持つということは、日本語の場合であれば、正しい日本語を使うことができ、その日本語を使って、深く考えることができる能力を持つということになります。
なので、日本の初等教育である小学校では、まずは、日本語の勉強からスタートし、正しい日本語を使うことができる能力の基礎となるものを勉強していくことになります。

ここで、私が子供のころのことですが、英語は、基本、中学校に入ってから勉強するものでした。もちろん、私が子供のころでも、英語は世の中にありましたので、テレビなどで、少しは接する機会はありました。しかし、本格的に英語の勉強を始めるのは、中学校に行ってからでした。

なので、小学校の時は、日本語だけをつかって、様々な科目の勉強をしていました。勉強する時は、当然、思考をしますが、この時の思考言語は、日本語だけということになります。
小学校の6年間は、思考言語としては、日本語だけだったので、思考をするための言語として、日本語だけを使っていたので、ある程度の正しい日本語で思考をするという訓練は、できていたかと思います。

しかし、中学校に入る前に英語の勉強を始めてしまった場合は、
当然ですが、小学生は、日本語と英語という、二つの言語に接することになります。まだ、思考言語としての日本語能力の基礎が定着していない時期に、別の言語を習得するとなると、必然的に日本語を勉強する時間が、減ってしまいます。
思考言語としての正しい日本語を習得すべき時期に、別の言語を勉強することで、「思考」の深さは、当然、低いものになってしまいます。
ここに、先にでた、今の中学生は、正しい日本語が使えないという原因があるかもしれません。

小学生から英語の勉強が始まった理由として、
「これからの国際化の社会には、英語が話せることが必要だ」
「英語を話せる人は、優秀だ」
のような風潮は、あったかと思います。

しかし、国際化に対応するということは、相手の国の言葉が話せるということではなく、
自分や自分の国のことを深く理解し、その理解したことを相手側に正しく伝えることだと、私は思います。
自分や自分の国のことを深く理解するためには、思考言語として使っている言語の、正しい理解が不可欠です。

なので、まずは、日本語を思考言語とするのであれば、正しい思考をするために、正しい日本語を使うことができる基礎を、しっかりと勉強すべきだと考えます。
なので、小学校での、英語の勉強は禁止して、しっかりと思考できる基礎ができてから、英語を勉強しても、十分なのではと思います。
かえって、しっかりと思考できる思考言語の能力をつけた後の方が、別の言語の勉強も、すすむのではないでしょうか。

だから、中学生になるまでは、
「英語の勉強は禁止!」
とします。

それでは。

いいなと思ったら応援しよう!