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当たるようになることは、グルーピングが小さくなること

テーマを持って練習する。うまくなる練習をする。テーマに集中する。その結果、当たるようになり、点数が出るようになるわけですが、ここでも多くのアーチャーが過ちを犯します。当たることは点数が出ることではあるのですが、それを10点に当てることが凄いことで、それが目標と勘違いするのです。確かに10点は凄いことです。しかし、36本すべてが10点に行くことはありません。

どんな的中にも「グルーピング」があります。グルーピングとは、自分が当てることのできる大きさのことです。もちろん距離によって大きさは違います。近ければ小さく、遠ければ大きくなります。その大きさは、厳密には縦に置いた玉子型かもしれませんが、ここでは「円(輪)」を想像してください。
あなたが7点に確実に入れることができるアーチャーなら、あなたのグルーピングの大きさは赤い輪の中です。ここで注意しなければならない、当たり前のグルーピングの法則は、10点を狙って射っているのですから、矢はまんべんなくバラバラに赤の中に当たるのではなく、真ん中ほど密で外側ほど疎だということです。10点に行くこともあれば、7点に飛ぶこともあります。10点よりは少なくても、7点はミスではありません。どちらもあなたが今作り出せるグルーピングの中であり、すべてがあなたの実力の範囲なのです。

だからうまくなるためにしなければならないのは、10点に当てようとする前に、確実に赤の中に飛ばすこと。そのうえで、自分が作り出せる7点の輪の大きさを、8点の輪にし、黄色い輪の中に飛ばせるように、グルーピングを小さくしていくことです。
そのためにすることは、まず自分の今作り出せるグルーピングの大きさを知らなければなりません。矢取りの時に、矢を抜く前に一歩下がって的面を見ます。ミスはあります。だからミスの矢は無視して省きます。それ以外の矢が作り出している大きさを知るのです。初心者なら的面いっぱいに広がっているでしょう。1点も2点もあれば黄色もあるかもしれません。それは初心者がヘタなのではなく、それが初心者の作り出せるグルーピングの大きさだということです。それを小さくしていくことが初心者指導です。

自分の矢の飛ばせる大きさが分かって初めて、それを小さくするためのテーマが生まれます。テーマは、グルーピングを小さくするための方法です。しかし、一度に10点の大きさにするのではありません。まずは少し小さくします。輪はほんのちょっと小さくなるだけで、点数は何10点も上がります。
押し手を真っ直ぐ残すのか、リリースを沿わすのか、早く射つのか、矢を追いかけないのか、、、すべてを一度にはできません。テーマはひとつずつです。ひとつずつテーマを潰していきます。そうすれば、確実にグルーピングの大きさは小さくなっていき、10点の数も増えていきます。

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