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Precision Shooting Equipment

Pete Shepley には娘さんと二人の息子さんがいるのですが、今回案内してくれた2番目のJon はPSE で働いています。そこでPeteとJon からいろいろな話を聞いたのですが、いかに我々の住んでいるアーチェリーの世界、それもターゲットを中心にした世界がマイナーであり、小さいかを痛感させられました。それをこの紙面、あるいは言葉だけで説明するには限りがあるのですが、たとえば翌々日の26日にクリスマス休暇中のPSE本社を案内してくれました。

PSEの正面玄関ですが、向こうの見えなくなるところまでが敷地です。

PSE はアーチェリー業界において世界一の企業です。ちなみに争っている相手は、みなさんが思うメーカーでは多分ありませんが、アーチェリーはアメリカのスポーツ産業におけるビッグビジネスです。日本にいては見過ごしてしまう現実があります。
ではどれくらいにビッグなのか。Pete の住まいでも分かるのですが、ひとつ数字を挙げると、PSE の年間での弓の生産本数は「180,000本」です。1日に700本の弓を作り、日々世界に送り出しています。そして工場には最新の日本製NCマシン12台をはじめとし、ほとんどすべてを自社生産できる設備があります。

この本社だけで普段は約400名の従業員が働いています。

そこで休暇のため生産ラインは止まっていましたが、この日から営業を始めていた、一般にも開放されている敷地内にあるアーチェリーレンジとプロショップを紹介しましょう。

レンジの利用料金が、なんとたったの$3です。
ドアの穴から放り込んでおけば、一日自由にアーチェリーが楽しめます。

まずはレンジ。昔はここでアリゾナカップも行われていたらしいのですが、90m射てるレンジですが、幅も90m以上あるでしょうか。シューティングラインには屋根もベンチもあり、距離別に的が設置してあり、指導を受けたければ専属スタッフが丁寧に教えてくれます。
そして、その横といっても、車が100台以上は停められる駐車場の横ですが、プロショップがあります。ここにも専属のプロスタッフが何人もいて、チューニングやいろいろな相談に気軽に乗ってくれます。

自由に使える18mのインドアレンジもあります。

ところでアーチェリーと言っても、アメリカでは90%以上がコンパウンドボウです。その90%の中でターゲットアーチェリー(的に書いた丸い輪を、決められた距離から何度も何度も射つアーチェリーのこと。)をするアーチャーは、1%にも満たないのです。残り10%のリカーブボウアーチャーにおいても、その中の90%以上はハンティングや3Dといったターゲット以外のアーチェリーです。
ということは、アメリカで何100万人とも言われるアーチェリー人口の中で、リカーブボウでターゲットアーチェリーを楽しむ連中はマイナーの中のマイナーということです。我々の全ア連の登録人口は12000人程度ですが、それと同じアメリカの組織NAAの登録人口は10000人程度です。ただし、10000人のバックボーンとして何100万人の潜在人口があるのと、12000人がすべてとは違います。
アメリカでコンパウンドを入れても数%のマイナー世界が、日本では「100%」なのです。この日本の特殊性を知らなければ、そして我々の世界が普通と思って世界を見ていると、いろいろな場面で判断を誤ります。
「井の中の蛙、大会を知らず。。。」 そんなことを砂漠の中で想う、年の瀬でした。

ところでツーソン。銃で道路標識を撃つのはやめましょう。ましてや、散弾銃で撃つと、字が見えなくなります。。。

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