アイロン台のうえのTシャツ(まよなかめがや#17)
今日も今日とてこの時間である。
寝るのがこの時間なのか
起きているのがこの時間なのか
まったく反対側にいる行為が同義に聞こえるのも
結構好きだったりする。
目の前にあるどさっと山盛りのTシャツたちは
今朝アイロンがけをしようとして集合させ
見事に2枚かけ終わったところで
朝のミーティングの時間となってしまった
犠牲物(犠牲衣類)である。
畳み終わったTシャツ2枚は
「なんでそんなにボーダーが歪んでんの?」
って言われる率90%超えの白ボーダーTと
「イラストが独特すぎてちょっと」
と見る人に少し煙たがられる横尾忠則さんデザインのTシャツだ。
2枚のTシャツをみて特に感想はないけど
無機質なアイロン台に乗っている姿がよく似合うと思う。
明日はその2枚のTシャツのうえに
どれだけ綺麗にシワを伸ばしたTシャツたちを
どさっとおけるのだろうか。
そういえば今アイロン台に乗っているのと
同じ枚数のTシャツをさっきネットで注文した。
母はよく
「あんたそんなに着ないTシャツためこんで
Tシャツやさんでもやるの?」
と真顔で聞いてくる。
お母さん
あなたの息子さんはこの自粛期間中で
どれだけのTシャツをぽちぽちしたか
ご存知ですか?
きっと好きなものに囲まれ
触れることができる人生は幸せだ。
Tシャツを見ているだけで幸せを感じるぼくは
悪くはない人生のなかにいるのかもしれない。
明日はなんのTシャツを着ようかな。
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