ぼくの夏休みはまだまだ終わらない。(超短編小説#23)
「今日さ駅前の通りのお祭りじゃん?」
ふと携帯の画面が明るくなった。
無条件に相手の顔を浮かべる。
「あーそうだね。功太が行くって言ってたわ」
LINEの送り主へ
胸のうちを悟られないように
自然に、自然にだ
と言い聞かせながら
返事を打つ。
同じ部活の功太は
気だるそうに
それでも行くという意思を
確かに含んだ言葉を
朝練の帰りに口にしていた。
朝練の終わる午前9時は
自習時間の教室のように
ゼミがありとあらゆる音を
鳴らしていた。
午後2時のいま
2人のあいだ