マガジンのカバー画像

うたまとめ

44
これまでnoteに公開してきた詩群をここに紹介しておきます。
運営しているクリエイター

#自然

自由律俳句「広い野原の向こうから人が歩いてくる」

遠くから 誰か歩いて 来て見たら 知り合いだった のほほんとして 緊張が 一気にほぐれ ニヤニヤと 笑みがこぼれる なぜそこにいる 広い野原には、何が似合うだろう。 太宰治は、「富士には月見草がよく似合う」という名言を残しているが、これも同じ風景なのだろうか。 言語化が、いつもよりむずかしい。本人は、おそらく、なんとも言えない感情で、気まぐれにそこに、立っていたから。

自由律俳句「畳の上を裸足で歩く」

靴下を 履かないままで 畳上 フェタフェタ歩く 少しすずしい なつかしい 足の感触 思い出す 季節が夏に 向かい出すから 畳の手触り、いや、足触りを経験したことがある人は、どれくらいいるだろうか。 足と地面、もしくは畳と、自分が一体になっている感覚。 そして、自然の、やさしいふるさとのような、足触り……。

世界の中にいると わたしたちが産まれたとき 気づきましたか 最初から世界はそこに あったのです 夏の大空が窓の外に ひろがっています 自然の中に広々と あなたが産まれたとき あなたの産まれた世界を 目を開けて ありのままに見つめることを だれかと 約束したような 気がするのです