写真履歴 振り返り

私が写真を意識して撮りだしたのは、α7000を初めとするオートフォーカス(AF)カメラが出てくる少し前の、フィルムMFカメラの全盛期。
各メーカーがメカニカルを極め、電子化を進める時代でした。

フィルムは一般的にはネガカラーが普通になっていましたが、安く上げるにはモノクロームを自家現像・引き伸ばしするのが 未だ当たり前の時代でした。
カラーの場合も、ポジとネガとでは発色の鮮やかさと精細さが大きく異なり、大伸ばしするにはポジカラー(特にKodak)からダイレクトプリントが当たり前で、私も作品と言えそうなものはモノクロフィルムで撮り、半切・全紙にプリントしていました。

意識して写真を撮ったとはいえ、この当時は自分で振り返っても真剣さは足りなかったと思いますし、何ら結果も残せていませんが、この当時に沢山写真を撮り、現像し、引き伸ばしていたことは今となって非常に良い経験をできたと思っています。

一昨年、久々に自分で引き伸ばしプリントを再開したときにも、昔の感覚が残っていたこともありますし、特にモノクロで撮っていたことが光を読む練習になっていたと思います。
露出の感覚も、今デジタル機をマニュアル露出で撮る時に役立っていますし、当時ズームレンズで大伸ばしは厳しかったので単焦点での撮影感覚が培われました。

時代の偶然ですが、本当にこの時代に写真を撮りだせて良かったと思います。機械としてホントに良いカメラをリアルタイムで体験できましたし、フィルムで色々試すことも、どんどん新しく性能の上がったフィルムが出来て来るのも体験できました。
シンプルなフィルムで経験を積めたことで原理原則を理解し易かったですし、デジタルでソフトウェア処理していることも大概は銀塩でやっていたプロセスをシミュレートしたものですので何をしたいのかが判り易かった。
デジタルも黎明期から体験できたので本質的なメリット・デメリットが理解し易く、今の撮影機材・スタイルに繋がっています。

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