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日記代わりの短歌(2023年12月)

過去類を見ないバタバタだった2023年12月。
残せた短歌はどうしても年末に偏ってしまったけれど、公私ともに忘れられない1カ月でした。

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ころんでもひとり地球はまわってく膝小僧には銀河がひとつ

駅でめちゃくちゃ盛大にすっ転び、膝に結構なあざをつくった日。当たり前なんですが私一人が転んだところで終電間近の人の流れがとまるわけもなく、膝にできた銀河をひとり抱えて帰路につきました。


聖夜の終電吊革を両手で抱く隣人の知り得ぬ祈り

クリスマスの電車内、疲れているのか吊革に両手でもたれかかって目を閉じる見知らぬ人の姿が祈りの姿勢に似ていました。私はあなたを知らないけれど、その祈りが何であれサンタクロースに届きますようにと願って。


なくしてもよいとおもえた生活はあるものだけがすべてではない

断捨離や整理整頓がずっと苦手だったのですが、最近は少しできるようになってきました。手放したものは、手放したあとも自分の一部であることに、ようやく気付いたのかもしれません。


棚はここソファはあそこであと一歩遠のくコンセントこれはこれで、うん

年末大掃除のついでに模様替えも。あれこれこねくりまわして納得のいく配置になったので満足です。ちょっとコンセントは遠くなったけど、まあ、これはこれで。


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年末バタバタしている間に帰省する交通手段もなくなってしまい、今年は関東で一人静かに年越しをすることに。家族に会えないのは申し訳ないけれど、こうして1年をゆっくり振り返る時間をようやく持てて、ほっとしている自分がいます。

2023年の振り返りと来年の抱負はまた別に書く予定ですが、今年一番大きな出来事は、所属している会社のサービスの20周年オフラインイベントの企画運営という大仕事。(12月のバタバタはほぼこれだった。)

個人的にはここ数年やってきた仕事の集大成みたいな部分もあり、お世話になった方々への恩返しと、隣にいてくれるすべての人に愛を感じた日々でした。

イベントのみならず、この数年間、本当に多くの人に救われてきました。よく「なんでそんなにいろいろやるの?」と言われるけれど、私のエンジンは、受けた恩や救われた言葉の数々が火種なのだと思います。

その火種をもって、私もまた、周りに愛を届けられる人間になりたい。そんな思いが強まった1年でした。

……思えばここ数年で、愛だなんだとずいぶん暑苦しい人間になってしまった気がするのだけど、決して聖母マリアになりたいわけではなく。

ただ、隣にいる人、応援したい人、一緒に頑張りたい人、尊敬する人、健康でいてほしい人……自分の手の届くところにいる大切な人たちへは、なるべく等身大の自分で、最大限の気持ちを伝えていきたいと思っています。

そんなわけで、私の中の火種は燻ることなく、これからも大切な人たちのために、そして自分自身のために、愛を伝えるエンジンになればと願っています。

受け継いだ火種をのせて宇宙船隣星へと愛を届けん

2023年の短歌は、これでおわりです。よいお年を!


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