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龍角散はおじいちゃんの背広のにおい

ずっとコロナバージンだったのに、10月半ばにとうとうコロナに感染。コロナ陽性で自宅待機中は、高熱が出ることもなく、普段通り元気に(?)家で仕事をしていました。が、一週間ほど経って、陰性になってから、なぜか咳が出はじめて苦しむことに。

その後数週間は、咳が出て眠れない夜があったり、突然激しい咳が出たり。友人と食事に行くのも憚れるような状況が続いたのです。

1か月ほど経って、「これはやはりおかしい。もしかしてロング・コビットかしら?」と思い、主治医のオフィスに電話すると、午後にオンラインで診察してくれるとのこと。病院に行かなくてもいいから便利〜。

先生の患者さんのほとんどは、コロナ感染後3か月ほど咳が止まらないらしい。ロング・コビットではないそうで、他の人に感染することもないとのことなので、とりあえず強力な吸入薬を処方してもらいました。

初めての吸入薬で緊張しましたが、さすがアメリカのお薬! よく効きました。3日もすると、咳はかなり緩和されてきて、夜中に目覚めることもありません。

ただ、喉の奥のイガイガ感が取れないのです。そのイガイガがたまると、咳になるという感じで、どうもよくない。

私の症状を友人に話したら、「日本で龍角散を大量に買ってきているから、
使ってみれば?」と箱を渡されました。箱には古風なフォントで「鎮咳去痰剤 龍角散」と書かれています。なんか効きそう?

龍角散って、「ゴホンといえば龍角散」というコマーシャルは知っていますが、今まで使ったことはありませんでした。

箱から銀色に渋く光る缶を取り出すと、すでにあの香りが〜。蓋を開けると、小麦粉よりサラサラの白い粉。ついてくる小さなスプーンに山盛りの粉を口に入れると、苦いというか渋いというか、不気味な味が口の中に広がります。

「あれ、ちょっと待って。この香りというか、味というか、なんか知っている。小さい時に嗅いだことのある、なんだか懐かしい香り」

考えること数時間、わかった! おじいちゃんの背広(決してスーツじゃない背広です)の匂いです。おじいちゃんの横に座ると、ぷ〜んと香る匂い(臭い?)でした。ずっと仁丹の匂いだと思っていたのですが、もしかしたら龍角散だったのかしら?

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