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1週間でなく1か月でもない2週間の猶予(愛猫PUAの最初で最後の闘病日記)

18年前に友人宅で産まれて、縁あって私の元にきた愛猫PUAが何の前触れもなく下半身麻痺になったときのことを書いています。

▼これまでに書いた経緯

PUAの後ろ脚が、ある日突然動かなくなりました。その事態がよくわからず混乱している私。が、さらに混乱しているのは、PUA自身のようです。

小さな家ですが、PUAが行きたいところは、どこに行くにも時間がかかる。なぜか、ねこトイレに入ることさえできない。「どうして?」とPUAの声が聞こえてきそうです。

お気に入りのソファーにも飛びのれずに、ソファーの前で途方に暮れているPUAを見たときは、思わず私が涙ぐんでしまいました。

それでも、食欲はあるようで、カリカリは食べるし、水もゴクゴク飲んでいます。

獣医からの「あまり動かないように」というアドバイスに従って、バスルームに閉じ込めましたが、どうも気に入らないようで鳴いてばかり。私もついついかわいそうになって、外に出すことにしました。

夜は私のベッドの横にペット用ホットカーペットを敷いて寝かせます。息をしているかどうか気になって、数時間おきに目が覚めてしまい、私のほうが寝不足がちです。

日中は、リビングルームとベッドルームのお気に入りのスポットに座ったり寝そべったりして、とりあえずハッピーな様子。相変わらずソファーには飛びのれないので、持ちあげます。

足が動かなくなってから5日目に、再度診察を受けました。症状は同じ。迷ったのですが、全身麻酔をしなくてもいいとのことだったので、念のためレントゲン撮影をしてもらいました。

ガンの症状はなく、骨折はしていないけれど、背骨が押しつぶされていて、背骨と腰にかなり重症の関節炎があるとのことでした。

下半身の感覚が麻痺しているので、トイレも自力では行けません。1日に3度ほど外から膀胱を刺激して、排尿のお手伝い。便秘にならないように薬を飲ませますが排泄介助が必要です。

オムツも考えましたが、獣医によると「肌によくないし、蒸れて皮膚が荒れたり皮膚病になるので薦めない」とのことでした。

自立心旺盛なPUAにしたら、私に抱き上げられて膀胱を刺激されるのは、非常に嫌なことのはず。きっとPUAの自尊心はかなり傷ついているのだろうと思います。

ねこは、痛いかどうかの感情を外に出すことがないので、どう感じているのかはまったくわかりません。

獣医は、「とりあえずガンではないけれど、QOL(生活の質、心身の健康)を考えると、かなり厳しい状況よ。私なら、そろそろ楽させてあげることを考えると思う」と言います。

私もPUAが辛いなら、そうしてもいいのかもと思って、PUAに尋ねますがPUAは「……」と横たわったまま。

獣医から「とりあえず今日から2週間、様子を見ましょう。それで少しでも症状が回復するようなら、次を考えればいいわ」と言われ、その日は家に帰りました。

PUAは、かなり疲れたようで、ぐったりしています。その日から、PUAは家の中心にあるキッチンで暮らすことになりました。元々、カリカリと水はキッチンの隅っこにあったし、バスルームよりはかなり広めで、人の様子もわかるので、リラックスできるようです。

獣医に行った次の日、PUAは元気にとは言わないまでも、積極的にキッチン内をうろうろし、カリカリも食べ、水も飲んでいます。痛み止めや便秘のお薬をあげようとすると、力ずくで頭を動かします。動かないのは後ろ脚だけ。

「PUA〜」と名前を呼ぶと反応して、前脚をうまく使ってズルズルとコチラにきてくれます。

獣医がくれた2週間の猶予はなんだったんだろう。なぜ1週間ではなく、1か月でもなく、2週間なんんだろう。それは、PUAの余命宣告なのだろうか。いや、そうではなく、私が心の準備をする期間のような気がしてなりません。

つづく

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