温泉の話3

・温泉って地下の水?
国語辞典で「温泉」を引いてみて下さい。「地中から涌き出る温水」とか「温泉のある地域」などとでていると思います。

では、「温かい地下水」だけが温泉なのでしょうか。実は、冷たい地下水であってもいろいろな鉱物成分などを含んでいる地下水も温泉なのです(冷鉱泉といいます)。

でも、いくら成分が入っていても冷たくては「お風呂」の意味がありません。また、涌き出る温泉は今では数えるほどしかなくボーリングをして井戸を掘り、ポンプなどで汲み上げる方法が多くなっています。

そして、この温泉は目に見えない地下の岩石や構造も複雑なため、多くの未解決の問題を抱えています。

では、温泉水はどのようにしてできるのでしょうか。いろいろな説がありますが、現在多くの温泉水が循環水であると考えられています。

海水や地表水が太陽熱を吸収して蒸発し、太陽熱によって起こされた上昇気流に乗って上空に運ばれると温度が下がって水蒸気は凝結して雲を作り、雨や雪となって海や陸地に降ります。陸地に降った水の一部はすぐに蒸発しますが、大部分は流水となって海に入り一部は地中にしみこんで地下水となります。

地下では、深くなるほど次第に温度が高くなっています。また、火山地帯では地下数キロから十数キロメートルという比較的浅いところに深部から上昇してきたマグマがマグマ溜まりを作り1000℃以上の高温度に保たれて熱を発散し、時に地表に溶岩やガスを噴出して火山活動しているところがあります。

マグマ溜まりは、通常数万年から数十万年の寿命を持ちある程度冷却し、結晶化して岩石となった後も高温岩体として長く熱を持ち続けます。

地下に入った水がこれらの地下の熱に温められ、時にマグマのガスから分かれた熱溶液が混入して、温度が上がると共に流動中に周りの岩石からも成分を溶解するなどして、水質が変化した熱水が温泉水の基になると考えられています。

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