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【業界話】店前の見えないボーダーライン

働く人にはさまざまなユニフォームが存在します。

ワイシャツにジャケットのスーツ姿。企業が支給する制服。デニムとタートルネック。アイコニックな姿は、瞬時に「○○の人だ」と理解させる説得力を持ちます。

転職して出会ったのが、作業着でした。知らない世界を垣間見た、今日はそんなお話です。

オフィスカジュアルからの作業着

社会人になってからというもの、「オフィスカジュアル」で出勤していました。

インフラの設計に携わる現在。多くはキレイ目の格好をしていますが、現場視察となれば作業着を身にまといます。

そのギャップたるや…。お察しのとおりです。そして作業着で現場に行くと、感じたことのない感覚に襲われたのです。

現場先でのランチタイム

その日は都内住宅街の現場でした。緑が広がり、そよかぜが心地よかった春先。

「昼ごはんにしよう」と片側1車線の通りを同僚・私の2人で歩いていました。お店発掘には熱心な私です。こじゃれた飲食店がチラホラとあり、思わず惹かれて足が向く。でも、その瞬間、今まで味わったことのない感覚に襲われたのです。

ヒールのあるパンプスとテロテロ生地のカットソーにジャケット。こんな格好だったら、ウキウキ気分のままカフェにも入れただろうに。

そこには作業着の大人がひとり。俯瞰で捉えると、それが自分であることに気づいたのです。

見えないボーダーライン

相応の格好の人には見えないボーダーライン。ドレスコードNGの人にはハッキリと見えるんですよね。

じゃあ、作業着の人間がどこに行くか?もっぱら大手チェーンの定食屋、ファミレスに落ち着きます。普段ならアラサー女性の恥じらいからか絶対避けるのに、作業着というボディースーツを身にまとうと入れる。不思議ですよね…。。。

思い出される父の姿

日中の現場作業が終わって帰社すると、そそくさと着替えます。特に女性陣は。でも、私の場合、恥ずかしさはありませんでした。むしろ気に入っている。

それは父の背中にありました。というのも父は仕事柄、作業着が当たり前でした。スーツ姿は冠婚葬祭でしか見たことがありません。

オフィスワークをしてきた自分の周りには、スーツ姿が「カッコいい」「これが普通」という感覚を持ち合わせた人がほとんど。でも、野外で働いている人は作業着かもしれないし、特定のユニフォームかもしれない。働く環境で”当たり前”って変わるんですよね。

コスプレをすすめるつもりはありません。(笑)自分と異なる仕事に就く人に話を聞いたり、ドラマを通して登場人物に感情移入するだけでも、新しい世界が見えるかもしれませんよ。

ユニフォームは戦闘服

二者を経験して気づいたのが、うっすらと抱いていた職業マウントです。「スーツ>作業着」なんて優劣ないんですよね。(職業による賃金格差は存在しますが。)

あるとすれば、それは清潔さ。作業着は汚れがちで、どうしてもだらしない印象を受けやすいだけ。実際、だらしないスーツ姿って見ていられません。崩れているとマインドにまで伝染します。いつだってパリッと、こぎれいにいよう。と改めて感じたのでした。(見た目って大事ですよね…!)

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