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好きなものを「好き」と言うと、いいことが起きる

好きなものを「好き」と言っていると、いいことが起きます。

ぼくはゴルフが好きなので、いろんなところで「ゴルフが好き」と言いまくっていました。すると、ゴルフ好きな人が自然と集まってきてくれて、ゴルフにどんどん詳しくなっていきました。いろんな大会に呼ばれるようになり、つい最近はタイガーウッズと写真を撮ることもできたんです。ゴルフが好きになってから2年で、奇跡みたいなことがおきたわけです。

ぼくはマンガも好きです。6500冊以上持ってます。そして「マンガが好き」と言いまくっていました。すると、大好きな漫画家の石田スイさんからツイッターをフォローされました。これがめちゃくちゃうれしいわけです。好きなマンガをnoteで紹介するようにしたら、いろんな人から「あのマンガ、読みましたよ」って言ってもらえるし、漫画家の集まりに連れていってもらえるようにもなりました。

「好き」はいろんな「いいこと」を引き寄せるんです。

このあいだ、あるクリエイターに「モデルになりたいんだけど、どうすればいいですか?」と相談されました。「へえ、モデルになりたいんだ、なんで?」と聞くと「いつかアパレルのブランドがやりたくて。だから、雑誌に出たいんです」と言います。

もし何かを売りたくて、そのために雑誌に出るんだったらいいかもしれない。でも、彼女はまだそこまでゴールが明確ではありませんでした。「どうやって進めていったらいいですか?」と聞かれたので、ぼくはこう答えました。「まずは好きなことを今すぐ好きと言え」と。

洋服が好きなら「洋服が好き」と言う。好きなブランドがあるなら「そのブランドが好き」といろんなところで言う。すると、自然とものごとが動いていきます。

「好き」だったら自然と動くはず

その子は「どのタイミングでブランドを立ち上げるといいですか?」と聞いてきました。ぼくは「知らんがな」と言いました。ブランドは誰かの許可でつくる/つくらないを決めるものではありません。「好きだったら自然とやるでしょ?」と思うのです。

「好き」にはパワーがあります。「好き」にそれ以上の理由はないからです。「好きだから恋人に会いたい」「好きだから焼き肉を食べる」「好きだから洋服を買う」……。あるアーティストが好きだったら、勝手にダウンロードして聴きまくって、CDも買って、ライブに行って、グッズ集めて……と自然にやるはずです。戦略的に「◯月までにライブに行く」などとは考えないはずです。

たしかにぼくの場合は「好き」と「仕事」がものすごく近いところにあるから恵まれてはいます。ぼくはユーチューブが好きだし、クリエイターが好きです。エンターテイメントやコンテンツが好き。それが仕事に直結しているので、多くの人からするとムカつくくらいズルいところにいるのかもしれません。でも、それも「好き」と思い続けて、「好き」と言い続けた結果とも言えるんです。

最近は「草食系男子」という言葉もあるように、好きなことを「好き」と言えない人も増えているといいます。LINEで間接的に伝えるような人も多い。でも、やはりいちばん刺さるのは面と向かって直接「好き」と言うことです。「好き」のパワーはすごいんです。

「好き」なら、客として楽しむ道もある

ちまたでは「好きを仕事にしましょう」とよく言われています。

基本は賛成なんですが、「好きを仕事にする」ってツラいことでもあるんですよね。何がツラいかというと、純粋に楽しむことができなくなるからです。

UUUM MANGA」というチャンネルを立ち上げたんですが、本当は好きなマンガを好きなだけ読んでるほうが、ぼくにとっては幸せだったりします。仕事だから、夢中になって読んでいるマンガがいつ終わるかを知ってしまったりします。「なんてつまんないことを聞いてしまったんだ……」という感じです。好きを仕事にすることによって、知りたくもないことを聞いたり、経験しなくてもいいことを経験することにもなります。

よくおいしいレストランに行って「いいお店だなあ。俺もこういう店を持ちたいな」と言う人がいます。でも、店を持ったら「オーナー」になります。すると、店の採算を考えないといけないし、きちんと接客しなきゃいけない。それだったら、普通に「イチお客」としてお金を払っているほうが幸せかもしれません。

「好き」と言ったときに、お客さんとして「好き」なのか、提供する側として「好き」なのかは見極めないといけません。

好きを仕事にするとき「ストーリー」があるか

好きを仕事にするとき、ただの「エゴ」になってはうまくいきません。ぼくがゴルフやマンガをビジネスにしているのは、最初はエゴもあったかもしれませんが、そこにきちんと事業としての「ストーリー」が見えました。だから「好き」を仕事にしてもうまくいくと思ったのです。

UUUM GOLF」というチャンネルも、私利私欲にまみれてるとも言えます。「鎌田さん、ゴルフが好きだからゴルフの事業始めたんだな」と思う人も多いでしょう。たしかにその面もあります。認めます。

ただ、ユーチューブのゴルフのレッスン動画は再生回数が多いということはもともと認識していたんです。だからユーチューブの会社であるUUUMがゴルフの事業をやることに、ストーリーと必然性があると思ったわけです。

ゴルフはシンプルなようでいて、めちゃくちゃ奥が深いスポーツです。人間というのは毎日コンディションが変わります。昨日の状態と今日の状態がまったく一緒というのはありえない。「飲み過ぎた」とか「睡眠不足」とか、それこそ1分単位で体調も変わる。そんななかで同じボールを同じ距離で打つというのは奇跡に近いようなスポーツなんです。野球は遠くにさえ飛ばせばホームランなのに、ゴルフは最終的に小さな穴に入れなければいけないわけです。

ゴルフのレッスン動画が何百万再生

ゴルフは、素人がひとりで練習してもなかなかうまくはなりません。しかも「これが正しい」というメソッドもない。プロは全員違うことを言ったりします。そんななか、何度も何度も見直せるレッスン動画は貴重な存在なんです。これが何百万再生もされているのは認識していた。だからぼくは「UUUMでゴルフをやりたい」と言ったのです。

ゴルフが好きで、ゴルフのことを発信していたら「GOLF TODAY」という雑誌の社長が来てくれたりもしました。ぼくはやりたいことがあっても、人が揃わないと始めないのですが、うまくタイミングが合ったので事業化できたのです。

1年目は社長の私利私欲で始めたように見えたかもしれません。もちろんそういう側面も実際にあった。でも今、2年目で黒字に転換してます。すると「シニア層に対してのコンテンツがありませんでしたが、ゴルフというコンテンツをつくることでそこを強化しています」というストーリーができあがるわけです。

「私利私欲」というのは悪い文脈で使われますが、うまく事業化できれば自分も楽しいし前のめりで仕事ができるようになります。もちろん「私利私欲」から「事業にして続くものにする」までには距離があります。ただ「好き」だけではうまくいかない。そこに会社にとっての必然性、ストーリーがあるかどうかは見極めないといけません。

「好き」で始めても、感情で仕事の判断はしない

ぼくはミーハーな人間です。有名な人とか、有名なお店とか、そういうところに近づきたいという感情がけっこうある。好きなもの、好きな人に近づきたいという思いも強いほうだと思います。

ただ、ここで重要なのが「感情で仕事の判断はしない」ということです。ここはきちっと線引きしています。

「どこまでファンでいるか」というのは難しいところです。マンガも昔は本当に純粋なファンでした。でも「事業にする」と決め手から、少しずつ変わっていきました。ただのファンだったのが、ビジネスとしてのプレーヤーに変わっていくわけです。

悲しいかな、ぼくが近づいていって、好きになっていく分野は、事業化される日が近いです。ゴルフもまさにそう。どんどん仕事化されていくので、純粋に楽しめなくなっていきます。「感情では仕事の判断をしない」ので、どうしても、ゴルフをビジネスとして考えるようになる。すると、ファンとしてのテンションではいられなくなる。そこは悩ましいところです……。

つねに事業化のアンテナが反応してしまう

純粋にお客さんとして、ファンとして楽しんでいる分野は、いまや食やお酒くらいかもしれません。自分が本当にストレスを発散できるところがそこしかなくなってきています。

……ただ、昔は飲まなかった日本酒に興味が出てきちゃったんですよね。「純米大吟醸と大吟醸って何が違うんだろう?」と思って、いろんな人に話していた。すると何かの縁で、食に詳しい人につながるんです。このあいだも京都の松本酒造に行って、体験しはじめるわけです。

それに、昔は行けなかったミシュラン3ツ星のレストランに行くようになる。すると勝手に「食をつなぐメディアってないな……」などと考え始めてしまうんです。脳みそのどこかで。今はまだそのレベルですが、そのうち「まだ先行者がいないな、いけるぞ」と確信に変わった瞬間に"プツッ"って事業に変わってしまうでしょう。

とにかく、まずは「好き」と言うことです。「好き」のパワーを信じることです。すると、いろんな人が集まってきます。いろんなことが起きます。おもしろい縁が生まれたりします。そしてそこにストーリーがあれば、仕事に、事業につながることもある。すべては「好き」から始まるんです。


編集協力:WORDS


今日も読んで頂きありがとうございます!そして今日で多くの会社が最終出勤日だと思うのですが、本当に一年間お疲れ様でした。またnoteを書いてるぼくもお疲れさまでした!(笑)
またいつもどおり、スキ・いいね・コメントもよろしくお願いします。

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