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ぬか床を宇宙と語り、同じテンションでエンタメ界を語る男! 水曜企画 note対談 横澤 大輔さん vol.2

はい、水曜日です。
ということで、前回に続き横澤 大輔さんとの対談の後編です。前編もまだという方はこちらより!



そして後編はまたはるかにぶっ飛んでますよ。
ぜひご覧ください。




コロナでもうひとりの自分、アナザーミーが生まれた

鎌田:ニコ動というか、横澤さんは、今後どこを向いていますか? 
 
横澤:僕はやっぱり「リアル2.0」を見てますね。 
 
鎌田:あー超会議もあるし? 
 
横澤:うーん、もうちょっと局所的なリアルですね。
より多くの人を集めるというのがKPIじゃなくて、より人を豊かにするような空間っていうところを目指したい。
 
鎌田:なるほど。 
 
横澤:それはもう、サブカルチャーとかそういうことじゃなくて、このコロナで、「もうひとりの自分」が見えた人ってすごく多いと思うんですよ。 
 
鎌田:うんうん。
 
横澤:コロナ前の自分とコロナ後の自分、なんとなくアイデンティティが分離したように思っている人って世の中に多いんじゃないかなと。

鎌田:めっちゃいると思いますよ。僕もそうだし、色んな決断もしたり。 
 
横澤:僕はそこにソリューションしたいって思ってるんですよね。 これからどんどん世の中はDX化していくでしょうし、流れとして良いか悪いかは置いておいて。
人が暇になった時に、その好きをどう表現できるかっていうのが、人生の豊さのバロメーターに絶対なるじゃないですか。 

鎌田:かなり考え方変わりますよね。
 
横澤コロナで価値が上がったものと下がったもの、同時にあると思うんですよ。 
 
鎌田:うんうん。 
 
横澤:僕は下がったものを上げるっていうのがビジネスチャンスとしてあるなと思ってて。その中で大きいのが不動産だと思ってるんですよ。 
儲けるということもなんですけど、価値を上げるってすごく豊かな事だなって僕は思ってるんで。
新しい価値観で館(やかた)をリプロデュースしていくことだったり、そのコンセプトは、やっぱりもう1人の自分。 
 
鎌田:うん。 
 
横澤「アナザーミー」って、僕勝手に名前つけてるんですけど。 
 
鎌田:ふふふ 
 
横澤「アナザーミーが謳歌できる場所」っていうのをコンセプトに、みんなが定住なのか、居場所とするのか、そこにコミュニケーションをどう作るのか、どういったものを持ってきて、どういったものを持っていかないのかとか…
そこでどういう時間をすごすのかっていうことに、今ちょっと興味があるんです。 
 
鎌田:今、横澤さんに言語化してもらったこと、自分自身の気持ちの変化とか、もうひとりの自分とか、ほんといると思うんですけど、ちょっと戸惑ってる人も多いと思うんですよ。  

横澤:はいはい「いいのかな?」みたいな。 
 
鎌田:アナザーミーって良い名前ですよね。



「今日どんな気分?」でもてなす料理

鎌田:さて。横澤さんの趣味って何ですか?  

横澤
:趣味ですか、僕ね、料理です。 
 
鎌田:なんと! 料理って日々するんですか? 
 
横澤:そうですね、ひとりだとあまりやらなくて。結局イベントなんですよ僕的に料理は。 
 
鎌田:もてなす感じですか。 
 
横澤:もてなす感じですね。後輩とか友達とか来るとき、食材ばーっと買っておいて「今日どんな気分?」みたいなところから入って居酒屋スタイル。で、飲んでるお酒によって味付け変えたりとか。 

鎌田かっこいいーー!かっこいいーー! もともと料理ってやってたんですか?僕料理できないんですぜんぜん。 

横澤:やっぱり美味しいものいただいてるから、味付け、あれに合わせるにはどうするかとか。ちょっと科学の実験みたいな。 
 
鎌田:(笑)へーーー。 
 
横澤:ほんとそんな感じですね。ちゃんとレシピ見るときもあるし、レシピで覚えて自分なりにアレンジして好きな味に近づけていったりとか。 
 
鎌田:えーなんかちょっとオシャレなんですけど。健康的じゃないですか。意外でした! 

横澤:でも酒飲んじゃうから(笑)
 



ぬか床は宇宙!!!!

横澤:僕がいちばんこだわってるのが、発酵食品なんですよ。 
 
鎌田:お。 
 
横澤僕、ぬか漬けやってるんですね。 
 
鎌田:そっちの発酵食品ですか、チーズとかじゃなくて。 
 
横澤:ぬか漬け子どものころから大好きだったんですよ。大人になって美味しいぬか漬けに出会わなくなって。 いろんな有名なところで買ってもおいしくないんですよ。合わないっていうか。 で、自分で作ろうと(笑) 
 
鎌田:(笑) 
 
横澤:キットを買って、ぬか床を作り始めて早3年なんですけど。 
 
鎌田:はい。 
 
横澤ぬか床はね、すごいですよ。もう宇宙なんですよ。  

鎌田(笑) 
 
横澤:これみんなに話すと変態的って言われるんですけど、ぬか床って、なんでかき回すかって言うと・・・
 
鎌田:はい、酵母とか? 
 
横澤:酵母とかももちろんあるんですけど、酸素が好きな菌と、嫌いな菌があるんですよ。それが置いておくと分離してくるんですよね。 
 
鎌田:あー俺は好き、俺は嫌いって。 
 
横澤:そう、菌が層で分離して、で、完全に分離した瞬間に腐るんですよ。 
 
鎌田:へーーー! 
 
横澤これを分離させないように、常にカオス状態にするっていうのがぬか床の原理なんですよね。 
その中にキュウリとかナスとかニンジンとか入れると、ぬかに含まれるだし汁と、野菜の中の水分とが、浸透圧で交換されるんですよ。  

鎌田:ほーーー。 
 
横澤:なので塩分濃度がすごく重要で。そのおだしもどういう味にしておくかってこともこだわりのポイントなんですけど、この全体を把握して、全部微調整していくんですよ。 これがたまらなく楽しくて!
 
鎌田(笑)いや、変態ですね。 
 
横澤:(笑)もーたまらなく楽しいんですよ。 
 
鎌田:たとえば、ぬか床にキュウリとか入れるじゃないですか、何ヶ月で食べられるようになるんですか? 
 
横澤:キュウリは冷蔵庫で3日くらい漬けるんですよ。 冷蔵庫じゃなくて、外だと1日で漬かっちゃうんですね。 
 
鎌田:へー。 
 
横澤:ただ、クタクタになっちゃうんですよね。浸透圧が温度で高くなるので。 だからちょっとクターってなっちゃうんですよね。シャキシャキしないんですよ。 
 
鎌田:(笑) 
 
横澤:シャキシャキ感が好きなんで冷蔵庫でゆっくり。で、ぬか床に野菜が入っていない時に冷蔵庫の外で乳酸菌を培養して、また冷蔵庫で止めるみたいな。 
 
鎌田:(笑) 
 
横澤:止めながらゆっくりぬか漬けをつけるっていう。 
 
鎌田いやー!なんだろう(笑)すごいとは思ったんですけど、したいと思ってないから(笑)  

横澤:(笑)確かにこれできないと思いますね。僕、ほんと好きなんだと思います。
ひとりでぬか漬けを食べながら「あーこれ、これがこうで、多分これが足りないから、これがこうで」って考えながら、もう本当に涙流すくらいひとりで感動してるんですよね(笑) 
 
鎌田:(笑笑) 
 
横澤:もう本当にやばい人だなって自分で思うんですけど。 
 
鎌田:理想のぬか漬けの味はまだ出来てないんですか? 
 
横澤:いや、もう出来てますだいぶ!だいぶきてます。 
 
鎌田:おお!きてるんですね! 
 
横澤もうひとりでも叫びますね、おおーー!これだー!みたいな。 
キターーーー!みたいな。ありがとー!って抱きしめるみたいな、ぬか床。 
 
鎌田やばいやつだ!(笑笑)
 
横澤:やばい奴ですよ。人に見せられないやつですね、完全に。 
 
鎌田:それ・・・3年間ずっとやってるんですよね? 
 
横澤:そうです! 
 
鎌田:すごいなー! 
 
横澤やっぱり、返してくれるんですよね。やったらやっただけ。
 
鎌田:うんうんうん。 
 
横澤:手間かけたら、手間かけただけ美味しくなってくれるんで。 
 
鎌田:あーー(笑)ぬか漬けのことかー。  

横澤カオス状態だから腐らないって、僕、本質だなって思ってるんですよ。 
 
鎌田仕事や会社の組織においてもですね。 

横澤:そうそう。結局何かが分離したら、縦割りになって組織も腐っていきがちじゃないですか。何となくカオスの状態を作り続けると持続可能というか、なんかアイディアも浮かんでくるし。 
 
鎌田:なるほどね。 
 
横澤決め付けるっていうのが何かの腐る原因になる、っていうのはぬか床から教えてもらったんですよね。 
 
鎌田:面白い!



「ブルーピリオド」はすごいインスパイアが生まれる


鎌田:さて。面白かったマンガってなんですか?最近、ひとに面白いマンガ聞くのめっちゃいいな!って思ってて 。
 
横澤:最近面白かったマンガ。なんだろう?・・・(鎌田メモ:30秒以上じっくり考えて答えてくれました)・・・「ブルーピリオド」っていうの好きでしたね。 
 
鎌田:ほほーやっぱり、クリエイター周りの話が好きなんですね。
 
横澤:はい。ほんとに今の子たちのすごい叫びをみたっていうか。
 
鎌田:ああー。 
 
横澤面白いっていうよりは、すごいインスパイアが生まれるような本だったなって思いましたね。すごいヤンキーだったんだけど、あるひとつの出来事から絵にはまって「絶対無理だ!」って言われてたものに向かってがむしゃらに挑戦して、それを勝ち得ていく。でも、勝ち得た先には今度はお金を頂くっていう新しいプロセス?教育と社会の分断のようなものも見たし。好きを突き詰めていく時の戸惑いみたいなものだったりとか,自分の今のテーマがそこに結構入ってるなという意味で興味深くて。
 
鎌田いやいや、ブルーピリオドを読んで、それにそういう自分を投影してる方もなかなかいないですよね。 
 
横澤:(笑)僕はグッときましたね。ただ、受験編と受かった後だと、受験編の方がグッときましたね。 
 
鎌田:親の反対から始まって、学校行って、現実見せられて。 
 
横澤:うんうん。 



社会的つながりと自分のやりたいことのバランスとる40代

 
鎌田:最後の質問なんですけど。40歳を迎えるじゃないですか? 
 
横澤: はい。 
 
鎌田横澤さんここから40になって、個人でも仕事でも、どういうふうにしたいって思ってるのか聞いてみたくて。
 
横澤:そうですね。実はあんまり年って気にしたことがなくて。なんか気付いたら40なだって思うし、逆に言うともう20年も仕事やってるんだ!って(笑) 
 
鎌田:(笑) 
 
横澤経営者を20年やってるんだっていうその感慨深さと、それに相反する自分のピュアさみたいなものがあって、「まだピュアな部分が残っている」と捉えることもできるし「ちゃんと20年間やってきたのかな?」っていう不安も同時にあるんですね。それが今、不思議な感覚というか。

じゃあ若手かって言うと若手っていう年代でもないなとか、ベテランって言われてもその域に達しているのかな?とか。
でも冷静に考えたら、材料は揃ってるなっていうのもあるんですよ。だからこそ自分で動いた時にその材料も使えるし使っていけるんだろうなっていうのはちょっと、ここ数ヶ月で考えた事ですかね。 
 
鎌田:ちょっと整理し始めたらいろいろあるぞ!って気付いちゃった、みたいな。 
 
横澤この20年間振り返って、現状を冷静に引いた目からみたときに、このキャリアをどういうふうに使っていくかということですかね。 
 
鎌田:さっきの料理の話じゃないですけど、材料そろってて、何食べたい?って自分に問いかけて、自分まだ回答してないみたいな。 
 
横澤:でもプロデューサーの性質っていうか、冷静に振り返ってみると「この人のこれを叶えたい」っていうことを、ずっと自分のモチベートにやってきたなって。それもいいんですけど、自分でこうしたいって決めて自分でやっていくのもいいのかなっていうのも思い始めてます。 
 
鎌田:最後、自分をプロデュースして、自分のやりたい事を叶えてあげる。 
 
横澤:うん、自分のやりたいことを、自分がやってあげるっていうのをやってもいいのかなあそろそろ、みたいな。そういう意味での材料が揃ったっていう考え方。

鎌田いや、超ドンピシャに共感できますね。
 
横澤:(笑) 
 
鎌田でも、それをやっていくと実業とは少しずつ離れていくじゃないですか、 距離感的なものも、気持ちもそうですけど、 
 
横澤:はい。 
 
鎌田まだ、それは早いなって思わないですか? 
 
横澤:思います! 
 
鎌田:そうですよね!だってまだ40じゃんみたいな。 
 
横澤:そこは、社会的なつながりっていうことと自分のやりたいことの塩梅というか。自分のやりたいことだけが強いと、社会的つながりって、おっしゃる通り
遠くなっていくじゃないですか。ただそれだと、昔に戻ってしまうことだと思うんですよ。
そうじゃなくて、ちゃんと社会的つながりを持ちながら、自分のやりたいことを、どうバランスとっていくかというのは課題になるんだろうなって思いますね、40代の。 
 
鎌田:わかる、非常によくわかる。 
 
横澤:うーん。自分の思いの質量がどれだけあるかっていう分、社会的つながりの質量も持っておかないと実現はしないわけじゃないですか。だからそういう整理をしてますね。 

もうひとつ、最近考えているのは、自分たちが楽しんでない状態でエンタメを発信している人がふえているんじゃないかなっていうこと。自分たちが楽しんでいるからこそ伝わるメッセージがあるし、そうすると勝手に伝播していきますよね、熱量が。
  
鎌田:なるほど。 
 
横澤40。不惑の年とか言うんでしたよね。 
 
鎌田:はい不惑ですよね。年齢を気にせずの人たちって、多分、自分がぜんぜん動けてるとかあるじゃないですか。 横澤さんにそういう焦りはまったくないですよね。 
 
横澤:そうですね!「 いつ死ぬかわからんし」とか思いますよね。 

鎌田:おお、急に。確かにそれはそうですね…!
さて、対談の時間はここまでになります。今日はすごく楽しいぬか床の話も伺えて(笑)

横澤:(笑)すみませんです

鎌田: 横澤さん、ありがとうございました!


______


以下、鎌田感想です。
横澤さんとは本当にお会いして、川上さんとご一緒にお食事させて頂いたあとはメッセージでやりとりさせて頂く機会が多くて、でもちゃんと話したことはなかったのですが、今回はニコニコ動画、超会議が生まれたところからぬか漬けまで、本当に幅広いお話をさせて頂きました。

あとにすごく横澤さんがおっしゃってた言葉で印象的だったのが、

自分たちが楽しんでない状態でエンタメを発信している人がふえているんじゃないかなっていうこと

という、言葉でした。これが刺さりましたね。
なんというか仕事が辛いとかそういうことではなくて、本質的に忘れてたものを思い出させてくれたってかんじです。

本当に感謝しかない時間でした。
それではまた明日!




最後に。
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