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人望がなさすぎる人がどう人望を集めていくのかが面白い「最強伝説黒沢」

今回紹介するのは「最強伝説黒沢」です。「カイジ」「アカギ」「銀と金」の作者である福本作品なんですが、人望をテーマにしていて、また違う福本ワールドが展開されているマンガです。(聞き手:成瀬夏実)

これはカイジの作者ですよね。

カイジシリーズのトネガワやハンチョウとは違って、黒沢は別の物語です。工事現場で働いているおっさんの話なんですけど、自分の人生があまりにも満ち足りていないことに焦りを覚え、「人望が欲しい・・・!」という自らの欲求に気付いて、44歳の誕生日をきっかけに少しずつ変わっていく話です。

なぜ人望…?

黒沢は現場監督なんですけど、自分の誕生日が近づいてきていることを気付いてほしくて、「お前何座?」と聞いて自分も聞いてほしかったり、カレンダーにわかりやすく黒沢って書いたりしているんですけど、結局は誕生日当日誰からも祝われず、居酒屋で3時間飲んだだけで終わってしまって。そこで、辿りついたのが「人望」がほしい。

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人望が欲しいって結構生まれ変わらないとダメですよ。

次の日から急に現場で意気込んで働くようになるんですけど、赤松という現場監督がヘルプで入ってきたんです。仕事ができる男として有名だったので、赤松は一気に部下たちから信頼を勝ち取ります。

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たとえば、赤松は休憩時間にコーヒーを差し入れするのに対して、黒沢はビールを差し入れするんです。

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さすがにビールは違うでしょう。

黒沢はいいことしたぜって思ってるけど、みんなビールは飲まず。

頑張るところがズレてるんですね。残念すぎる。

他にも弁当の中に勝手にアジを付け足してあげるんですけど、結果みんな気付かずに弁当を食べるんです。

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最初からアジ弁当だと思いますもんね(笑)

本当はみんなから感謝されるはずだったのに、何も言われないことにヤキモチするんです。それに自分の弁当がどこにもないことに気付いて、部下たちに心配されないことにキレちゃうんですけど。でも、もう1人食べてない人がいてそれが赤松。キレた黒沢に対して、赤松は文句も言わず弁当を受け取る。これで人望を一発で持ってかれてちゃうんです。

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黒沢ほんと残念ですね…。

それで、赤松の中にはアジを入れ忘れちゃったんで、ここでアジがないことに気付けば黒沢がみんなにアジを入れてくれた、てことに気付くのではないか!?と思うんですけど、そんなこともつゆ知らずに赤松は淡々と弁当を食べて終わる(笑)

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赤松は最初からアジがないものと思ってますからね(笑)

黒沢は赤松のこと卑怯者と思ってるんですよ。赤松からしたらライバルでもないのに敵視していて、それが余計に黒沢が空回りな行動を取ってしまうんですよ。

逆にこのヤバさからどう変わっていくか気になりますね。本当に人望つかめますか?

1巻では全然ダメなんですけど、少しずつ、黒沢がほかの人たちから絡まれて黒沢軍団みたいなのができるんですよ。

ちなみに黒沢の中でいいシーンがあって、1日の人生が72年だとした場合、72年を24でわると18歳は6時。まだ取り返せる。30歳でもまだ10時。45歳だと15時でもう終業時間まであと2時間しかなくて取り返せない!この考え方は面白いなと思いましたね。

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こんな黒沢が最終的にはめちゃくちゃ男気溢れてくのがある意味、人間らしいなって思っちゃうんですよね。このあとに「新黒沢」もまた続きます。ぜひ読んでほしいです!

それではまた明日。

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