好きなコスプレで生きていく! コスプレイヤー業界のトップを走る2人に聞いてみた 水曜企画 note対談 乾曜子さん えなこさん vol.1
さて、水曜日の対談企画ですが、今回の新シリーズですが、過去分はこちらから。
そして今回はいよいよゲストが2名になり3人の対談になりました。これは対談なのか?って感じですが非常に面白かったですよ。
お二人のプロフィールはこちら。
乾曜子 / よきゅーん
公式コスプレイヤー文化の先駆けであり、えなこの所属事務所の代表。
自身の経験を活かし、プレイングマネージャーとして
1人で事務所を運営している。
えなこ
コスプレイヤーとして人気を集め、
現在はグラビア・歌・声優などマルチに活動中
日本で初めて、コスプレイヤーとしてクールジャパンアンバサダーにも任命された。
それでは本編スタートです!
謎な出会いで運命が変わった
鎌田:乾さん、えなこさん、よろしくお願いします。
乾&えなこ:よろしくお願いします。
鎌田:お二人は出会ってからどのくらいになるんですか?
乾:4年…? いや5年目ですね!
えなこ:うんうん。
鎌田:2015年とか、2016年とかってことですか?
乾:そうですね!
鎌田:乾さんもコスプレされたりするじゃないですか?もともと別々に活動されていたんですよね?
乾:はい、もともと知り合いだったとかじゃなくって、知り合いの紹介?…紹介って言うのかな?みたいな感じで(笑)なんか、謎な出会いでした。
えなこ:(笑)
鎌田:その時点で、えなこさんはコスプレで「えなこさんです!」って感じで結構知れ渡ってる状態だったんですよね?
えなこ:そうですね。
鎌田:そのとき、どんな出会いだったんですか?事務所に入りたかったんですか?
えなこ:うーん…なんて説明したらいいのかな?
乾:なんにも考えてなかったと思うんですよ(笑)
えなこ:(笑)
乾:私もなにも考えてなくて。 あるお仕事の話の延長上にえなこが出てきて、 ある方の事務所に所属しますみたいな話を聞いたんですね。でも、その方って事務所も会社も何も持ってなかったはずで・・・うん??みたいな。
えなこ:(笑)
鎌田:会社も何もない状態のところに所属しようとしてたんですか?
えなこ:はい、私もよくわかってなかったんで。
乾:そう、よくわかってないのに話が進んでたっていう、不思議な状況で。
鎌田:これ、あまり言ってないんですが・・・僕とHIKAKINにも似た話があったんですよ。
乾&えなこ:えーっ?!
鎌田:そもそも、他の方と話が進んでいて、決まる前に「それ・・・あんまり良くないかも?」という会話からスタートしてるんですよね。
乾: じゃあ、もともと別の方と?
鎌田:そう、別の話が進んでたところを、最終的に僕と一緒にやってくれることになったんです。
乾:へーーー!じゃあ、運命変わりましたね。
鎌田:そうですね。どっちも変わったでしょうけど。今、お二人のお話を聞いていて、めっちゃ一緒じゃんと思って。
えなこ:(笑)
乾:今でもその時のえなこを考えると、そのままいったら、誰かに騙されてしまうこともあったんじゃないかなとか、もっと悪い人が関わっていたりしたら危なかったんじゃないかなって思います。
えなこ:うんうん。
鎌田:えなこさん、その時おいくつだったんですか?
えなこ:22-3くらいでしたね。
鎌田:コスプレはおいくつからやってるんですか?
えなこ:14の時からやってます。
鎌田:僕、UUUM作ってすぐの頃、企業さんと話したりする時に「YouTuberって言ったらHIKAKINさんですよね!コスプレイヤーって言ったら えなこさんですよね!」って言われたのが確か、2013年くらいなんですよ。
乾:はい! ありがたいです。
普通に囲まれて撮られるんだーって、あっこうやって人数増えていくんだーって
鎌田:えなこさんがコスプレをやろうと思ったきっかけは何だったんですか?
えなこ:うーん、何だろう... 中学生の時にアニメにはまって、オタクになって、そのまま作品が好きだからっていう流れで、コスプレに辿り着いた感じですかね。
鎌田:アニメが好きとか、マンガが好きとか、色々なオタクがあると思うんですけど、グッズ集めとか、ひたすら見続ける方もいる中で、最初どうしてコスプレをやろうと思ったんですか?
えなこ:オタクになったのが原点で、はじめはグッズ集めたりもしましたし、とりあえず、オタクとしてやれることは何でもやりました。
鎌田:(笑)
えなこ:で、その中のひとつにコスプレもあって(笑)あっ!こういうのもあるんだ!って始めたっていう感じなんですよ。
鎌田:最初にコスプレしたのはタイトルは何だったんですか?
えなこ:「涼宮ハルヒの憂鬱」ご存知ですか? ハルヒちゃんの!
鎌田:もちろん!! お友達の反応はどうだったんですか?一緒になってハマってくれたんですか?
えなこ:理解のある友達がいたので全然大丈夫だったんですけど。でも親は当初、反対していましたね。ちょっと気持ち悪いって言われました(笑) フィギュアを捨てられちゃったりとか。今から10年前って「鬼滅」もありませんし、オタクに対する偏見もありましたね。
鎌田:ほー、涼宮ハルヒの憂鬱がきっかけで、少しずつ色んなタイトルも好きになったんですね。 そしてそれをきっかけに、またコスプレをしてみて!
えなこ:はい!そうですね。コスプレイベントに行くことも、親から気持ち悪いって言われたり(笑)
乾&鎌田:(笑)
えなこ:コスプレイベントは、世間から「オタク?」みたいな目で見られる私を解放してくる場所というか。本当にコスプレとかアニメとかゲームとか好きな人しかいない場所だったので。
鎌田:その場所に行くと、確かに共感が持てて気持ちが楽になると思うんですけど、気がつけば、コスプレした自分がたくさんの方から見られるっていう状況にもなっている訳じゃないですか。
えなこ:うんうん。
鎌田:それはどういう感じなんですか?優越感なのか、不思議な感じなのか、あるいは、みんな同じものを理解してくれているオタク仲間だからすごく温かいとか?
えなこ:私の場合は、みんな私を見ているんじゃなくて撮影しているので。優越感とか注目を浴びて嬉しいとか、そういう気持ちはまったくないんです。
むしろ「嫌な写真を撮られないように」ということに気を取られてしまって。すべてのカメラに対して「この角度でこのライティングだったらこう写るな」とか考えていて頭がいっぱいでした。
鎌田:いちばん最初にコスプレイベントに行った時は、がっつりコスプレの格好して行ったんですか?
えなこ:はい、そうです!
鎌田:そしたら急に「撮ってもいいですか?」って言われるんですね?
えなこ:はい!
鎌田:数人、数十人、数百人とやってるうちに、どんどんすごいイベントになっていくわけじゃないですか。それは何年目ぐらいなんですか?
えなこ:コミケはほぼ毎年行ってましたし、名古屋に住んでた時も行ってたので、うーん、ちょっとわからないですね。
鎌田:気がつけば色んな方から撮られるようになっていたんですね。
えなこ:はい!初めてコミケに行ったのが高校生の頃だったんですけど、初めて行った時も半円くらい囲まれていたので 「あっコミケってこういう場所なんだ」っていう。
鎌田:自分に限らず色んな方が円になって撮られてる場所なんだって思ったんですね。
えなこ:普通に何人かに囲まれて撮られるんだーっていう刷り込みがあったんで、そこから、あっこうやって人数増えていくんだーって(笑)
乾:気づいたら、増えていくんだーってね(笑)
えなこ:そうそう。気付いたら増えたっていう感じですかね。
鎌田:乾さん、最初から半円で囲まれたり、その人数の増え方というのは、 クオリティとかも関係ありますか?
乾:はい、確実にそうです!
鎌田:ってことですよね。ご本人は自覚しないまま、その王道を一直線に歩いているってことですよね?
乾:そうですそうです、天然で(笑)
えなこ:そういうものだと思っていたので、特に注目されて嬉しいとかもなかったんですよ。
鎌田:これがデフォルトだと思ったんですね(笑)
えなこ:そうです、そうです。
鎌田:では、乾さんはいつからオタクで、いつからコスプレを始められたんですか?
乾:小学校の頃からオタクでした!
鎌田:おっ!
乾:マンガ大好きアニメ大好きみたいな!家族もウェルカムだったんで大丈夫でした。コスプレを始めたきっかけは、インターネットで知り合った女の子にコミケ行ってみようって言われて。
鎌田:うんうん!
乾:「私、コスプレイヤーなんだけど、一緒にコミケでコスプレしようよ!」って言われたのがきっかけで。 最初はONE PIECEのナミのアラバスタの衣装を自分で作りました。
鎌田:おー!凄いですね。えなこさんはきっかけは涼宮ハルヒっておっしゃってましたけど、乾さんがオタクになって最初にいちばん好きなのは何だったんですか?
乾:私、ジャンプを買っていたので、少年ジャンプ系とか、セーラームーンですね!
鎌田: おお!
乾:ジャンプはバイブルですね! 「友情・努力・勝利」うちの事務所のモットーでもありますね。
鎌田:(笑) で、コスプレしてコミケ行って、気がつけば半円できてたという感じでえなこさんと同じですか?
乾:そうですね!今のコミケのコスプレ広場って広いですけど、当初はすごく狭くて密集もしていて、コスプレイヤーさんは常に囲まれる状態でした。人気のキャラのコスプレをしていたり露出度高い子とかも囲まれてましたね。
鎌田:あ!素人質問で申し訳ないんですけど、露出度が高いコスプレをするとやっぱり寒いんですか?
乾:冬は寒いです! けど気合!(笑)
鎌田:なるほど、それよりも完成度ですね! (笑)
乾:テンションの方が勝る感じがありますね。 コミケってやっぱり年に2回のお祭りっていう感じなので。
コスプレイヤーのマネタイズのこと
鎌田:これ、たくさん聞かれてると思うんですけど、コスプレイヤーさんはどうやって生計を立ててるんですか?コミケですか?
乾:えっと、今のことでいいですか?
鎌田:じゃあ、昔と今のことを聞きたいです!
乾:昔も今もそうですけど、撮影会をメインにされてるコスプレイヤーさんや、普段はモデルの方がいらっしゃって、そこが収入源の方も多いです。
えなこ:うんうん。
乾:それにプラス、私がコスプレを始めた頃にコスプレ同人誌がでてきて、 私は最初の頃からやってるんですけど、それが主流になっていきました。今はSNSで稼げる時代になってきていると思います。
えなこ:うんうん確かに。
乾:私達はやってないから、わからないけど、課金制ファンコンテンツ?
えなこ:課金制のファンクラブサイトとか。
鎌田:FOLLOW MEも似たようなものですね。
乾:課金制コンテンツサイトはすごく広まったと思います。ライブチャット的な。
えなこ:うんうん。
鎌田:なるほど、ちょっと前だと自分で刷ってその場で売るっていう同人誌が主流だったんですか?
乾:私の場合、主なのは撮影会ですね。 直接、現金をいただいて。
鎌田:コミケ以外に、個別な撮影会で現金をいただくんですか?
乾:撮影会サイトやサークルみたいなものがいっぱいあって、コスプレイヤー達が撮影モデルとして呼ばれるんです。
鎌田:えなこさんも撮影会は?
えなこ:私は撮影会はぜんぜん行かないです。イベントで「何名様にえなこ撮影会ご招待!」とかはあったんですけど、 自分が直接お金をもらう撮影会はやったことがないですね。
乾さんとえなこさん、僕とHIKAKINさん
鎌田:学生時代にコスプレを始めて、その時は名古屋にいらっしゃって、大学、就職とかプライベートはどうだったんですか?
えなこ:大学は行ったんですけど、別にやりたいことがあって行ったわけじゃなくなんとなく卒業して。デスクワークがすごく好きでした。
鎌田:デスクワーク?
えなこ:はい、IllustratorとかPC触っているのがすごく好きです。 そういうことやろうかなって思ってたんですけど、大学3年生くらいに乾さんの事務所に入ったんです。 それでやりたいことが見つかって就職せずに東京に来ました。
鎌田:ほー。 めっちゃいいタイミングでしたね。
えなこ:めっちゃ良かったです!
乾:私も本当にタイミングがよかったんです。何でえなこが近くに現れたかというと、あるアプリの公式コスプレイヤーを集めるところにキャスティングされてきて。それが、きっかけだったんですよね。
鎌田:ほうほう。 乾さんは、どのタイミングで事務所の社長になったんですか?
乾:それは!えなこです!
えなこ:ん?(笑)
乾:それまで特に事務所をやろうってことは思っていなくて。
鎌田:なるほど。
乾:私も10年以上コスプレの業界で仕事をしているので「信用できるコスプレイヤーを紹介して欲しい」と言われることが多かったんですね。その件で初めてキャスティングのお手伝いをさせていただいて、えなこに会って。で、さっきちょっとお話ししましたが、事務所に所属するような話がちょっとあぶなっかしかったので。
えなこ:(笑)
鎌田:なるほど、はい!
乾:話の行き違いもあって。私はえなこが「私の会社」に入ると聞いてたんですが、えなこは会社じゃなくてその人と契約すると思ってたりとか。
えなこ:そうそうそう。
鎌田:ま、ちょっと、ずれてるんですね。
乾:なんかよくわかんないけど、ここで契約に至ったっていう。結果、いま落ち着いてるのですごく運が良かったなと、私も思ってます。
鎌田:えなこさんが、いちばん最初に所属した方になるんですね!
えなこ:はい!
乾:そうなんです!えなこがいなかったら事務所はやってなかったと思います。
鎌田:僕でいうHIKAKINとまったく同じですね。
乾:本当ですか?すごいですね!(笑)
コスプレ界の変化とSNS
鎌田:コスプレイヤーさんって、大臣と一緒に写真撮られたりとか、著作権回りのことも色々と視認性が上がったと思うんですけど。 昔と今とで、コスプレ界が大きく変わった!と肌感で感じることはありますか?
乾:えなこはどう?
えなこ:えーと、自分のお仕事の面ですか?それともコスプレ全体でみてということですか?
鎌田:コスプレ全体でみてですね。
えなこ:SNSの影響が大きいと思うことはあって・・・かつてはコスプレって自己満足の趣味で、たとえば、そのキャラクターが金髪でも、地毛でやっちゃう人とかも全然いたんですね。
鎌田:うーん。
えなこ:カラコンも入れない人とか、すごく自由にやってた印象があったんですけど、SNSが流行ってから「そんなんじゃ愛がない!」みたいな感じで叩かれてしまったりとか。。 個人個人のキャラクターの解釈が違うので仕方ないんですが、それが正義!っていうのを押し付けられているような感じが強くて、敷居が高くなってしまっていないかな?という心配はありますね。
乾:ああー!確かに!
えなこ:クオリティが高くないと「そのキャラクターへの愛がない!」って、 断言されてしまうような。
鎌田:えなこさんもそんなこと言われたことあるんですか?
えなこ:あります(笑)
乾:実体験(笑)
鎌田:えー!完璧主義者っぽいのに!
乾:始めたての頃とか?
えなこ:始めたての頃、ウィッグもカラコンもしてたんです。でも「着ただけじゃん!」とか(笑)
鎌田:その人も言いたいだけなんじゃないの?!(笑)
えなこ:んー分からないですけど(笑)とにかく、個人の解釈がそれぞれあるってことが前提であったはずなのに、 押し付けが結構強くなってきたなって印象はありますね。
鎌田:SNSで稼げるようになったけど、誹謗中傷も余計来るように感じるっていうことですかね。
えなこ:そうですね。
鎌田:乾さん的にはどうですか?コスプレイヤーの事務所ができたわけじゃないですか。
乾:私は10年以上コスプレ界を見てきて、まず雑誌の表紙にコスプレイヤーがこんなに起用される時代になったことに驚きを隠せないです。
鎌田:僕、毎週見ますよ。
乾:もっといっぱい出すぞ!と思ってます(笑)
鎌田:知ってますよ!「もえなこころ」(鎌田メモ:伊織もえさん、えなこさん、篠崎こころさん の3人の並びのことです)みたいになってるわけじゃないですか?!
乾:ああー!よく知ってらっしゃる!! ありがとうございます。
鎌田:なんて便利な言葉なんだろう!と思って。何見ても出てくるし。
乾:すごい!仕掛けてる私が楽しい! おこがましいかもしれないですけど、えなこを筆頭としたコスプレイヤーたちが、これだけこの世界に貢献できてるんだ!って。リスペクトしている出版社の方から「えなこちゃんのお陰で」と言っていただけたりすると「ああ、役に立てたんだ!」ってすごく嬉しいんです。
しかも作者の先生からも「コスプレしてくれて嬉しい」って言っていただけたりとか。 先生や出版社の方に恩返しをできたことが、えなこのやってきた軌跡だなと。いちばん嬉しいことです。
-以下、対談vol.2(6月2日公開予定)に続く-
最後に。
読んで頂きありがとうございます。
そして読んだということで「スキ」「ハート」をポチってください。人間リアクションは大切です。
そしてお知らせ。
SNSはやめましたが、FOLLOW MEでは更新してます。よければこちらから。買ったもの、日々思ってることを気楽につぶやいてます。また映画についてのレビューはFilmarksを利用してますので、よけれはこちらも。
良いと思ったらサポートお願いします。嬉しいので。 もちろんちゃんと返信させて頂きます。