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ていねいな消費

 商店街で今月頭に、パズルを買った。
 子供にやらせたら、凄く喜び、あっという間に完成させたから、二つ目を先週買いに行った。店主のおじいちゃんに話を聞くと、市の放課後教室にも納めているらしい。いつもお客さんが少ないから心配していたのだが、ちゃんと根を張っていた。

 今日は、時計屋さんに行ってみた。電池交換ついでに、おじさんとおしゃべりした。
「うちは平成元年にオープンしてね。でもこの商店街は、戦後からずっとあるんだよ。」
 店内は、よく見るとネックレス、宝石、眼鏡、置時計に掛け時計と、様々である。店の奥には、視力検査の装置や作業台まである。
「昔はね。こういう兼業してる店が珍しくなかったんだよ。今でも地方とか商店街の中とかには残っているけどね。ここの商店街がダメになったら、うちもなくなっちまうね。」
 笑顔でさらっと寂しいことを言うけれども、若い僕に親しげに話してくれたのが嬉しかった。
 懐中時計を買った時のことを思い出した。夫婦で個性的なデザインの時計を作っていて、おしゃべりしながらどれにしようか決めた。
 モノに溢れた世の中。作り手の方々との何気ない会話や笑顔の思い出とともに、モノを買う。古くて新しい”エシカル”だなと思った。

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