何かできる事は?家族が癌に罹患して感じた「無力感」

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抗がん剤治療が始まってからは、両親・義兄が治療に付き添っており、私も週末には顔を出していました。私が面会できた時は、副作用かな?と思われる様子もありましたが、まだまだ元気でした。

味がわからない、炊き込みご飯のような濃いめのものが良い、めんつゆのようなものが食べやすい

副作用は重症化してないものの、病院での食事に対して、このような要望をしていたのを思い出します。

罹患が発覚して以降、本人はもちろんまわりも普段の生活から一変して闘病生活が始まり、それぞれ気持ちの整理がついていない中、それぞれができる事を役割分担していました。両親が近くに住んでおり、調整しやすい仕事をしていたのはまだ良かったほうだと、当時を振り返って思います。

地方から都心部へ出て、夫婦・子供の4人家族、という家族構成は珍しくないと思いますが、このような家族構成や状況の中、夫婦のどちらかが罹患してしまった場合、パートナーにかかる負荷は想像しきれません。闘病生活の身の回りの生活はもちろん、仕事や経済面も心配でしょうし、子供との関わり方も考えないといけない。このような事を急に判断するのはとても難しいので、前もって話しておく必要性があると考えています。とはいえ、がん(他の病気も)や介護については、「なかなか自分事化されず、どこか他人事になっている」、私自身もそうだったのでまわりに伝える難しさを感じていますが、ちょっとずつでも伝えていきたいと思います。

話はもどり、闘病生活がスタートしたなか私はというと、平日はいつものように仕事に行っていましたが、日々「無力感」を感じていました。病気や治療に関する知識や経験がまったくなく、治療に対して何かできる訳でもない、自分には何もできないと、自分自身の無力さがとても悔しかったです。
日々考えたり、インターネットで調べたり、自分にもできる事を探していましたが、なかなか具体的なものが見つからず…。
がんについてはいろんな情報が溢れているので、信憑性の低い情報に飛びつきそうになったのを覚えています。10%という数字が普段は低いと感じても、藁をもすがる精神状態では「10%も」になってしまいます。

カマエイドをはじめて患者さんや家族のお話を聞く機会が増えてきているのですが、家族やまわりの支える方のほうが、何か試しに買ってみたり、新しい治療法を調べてみたりしている、という印象です。
買ったものや治療法に関する情報が良いのか悪いのか?、は私には判断できませんが、家族や支える方の「何かしたい」という気持ちは共感できる点があります。当時の私も、自分自身を責めながら「何かできる事」を探していました。

続きはまた改めて書いていきます。


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