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「大腸がんと食べ物について」治療中のこと?リスクを下げること?

がん患者さん・ご家族の家庭の食事に役立つレシピサービス「カマエイド」を運営している門間です。カマエイドでは、「味を感じにくいとき」「便秘」「下痢」の悩みを抱えているときなど、悩み解決につながるレシピ・コラムを掲載しています。

前回、大腸がん術後に望ましい食事や、消化に優しいおすすめレシピを紹介しました。※前回はこちら

前回の内容は、治療中(術後)に望ましい食事について紹介しましたが、大腸がんをはじめ一部のがんについて、罹患のリスクを下げる・上げると言われている食べ物もあります。私なりの補足を添えつつ、ご紹介します。

Ⅰ.【最初に】紹介している内容・データについて
罹患リスクを下げるもの・上げるものついては、国立がん研究センターがん情報サービスで公開されているものです。私の個人的見解ではありませんので、ご安心ください。

国立がん研究センターがん情報サービス(がんの発生要因)
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/factor.html

こちらのページの中段あたりに、「表1 食物関連要因とがんとの関連のまとめ1)」として、罹患リスクを下げるもの・上げるものが紹介されています。「大腸がん」に関するものをピックアップすると、以下のとおりです。

【リスクを下げるもの】
「確実」→食物繊維を含む食品
「可能性大」→にんにく、カルシウムを含む食事

【リスクを上げるもの】
「確実」→赤肉・加工肉

リスクを上げるものとして、赤肉・加工肉が挙げられていますが、世界各国に比べて日本人の赤肉・加工肉の摂取量は少ないようです。「日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉・加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言える」との事です。
以下、国立がん研究センターのプレスリリース原文です。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2015/1029/index.html

Ⅱ.私からの補足
前回は大腸がん術後の食事について紹介し、今回は大腸がんの罹患リスクに関する食べ物を紹介しました。こちらについて、カマエイド運営を通じて経験した事を踏まえ、何点か補足を。

大腸がんのリスクを下げるからといって、他のがんのリスクを下げるわけではない。
表をご覧いただくと、がん腫によってリスクを下げるもの・上げるものが分類されている事がわかります。薬や治療法もですが、「がん」と一括りとはできないようです。表を見ていると「バランスの良い食事を」と言われる理由がわかる気がします。
罹患リスクを下げる食べ物(予防)でも、治療中(術後)の摂取は危険なものも。
大腸がんを治療中だった方が、がんに食物繊維が良いと聞き、食物繊維が豊富なものを食べるようになった結果、腸閉塞で危険な状態になってしまった、という患者さんのお話を耳にする事があります。良いと言われている食べ物でも、治療中には危険となる可能性もありますので、予防・治療中を区別して注意したいですね。
摂らないリスクも把握しておきたい。
大腸がんに罹患した人が、その後怖くてお肉を食べづらくなってしまった、というお話も聞きますが、その気持ちもわからなくはないです。
食べれなくなってしまった人に「しっかりお肉も食べて」と言っても押し付けでしかないと思いますが、食べないリスクはしっかり把握しておきたいですね。お肉だと「たんぱく質」が豊富と言われていますので、食べれなくなったときに筋肉量減少・フレイルなどのがん以外の課題リスクが高まると思います。食べないリスクを知っておくことで、「豆腐からもしっかりたんぱく質を摂るようにする」など他の方法で対策をとれる事もあると思います。

以上、罹患リスクに関する食べ物(大腸がん)と、私なりの補足を紹介しました。他のがん腫や食事の悩みについて、また随時紹介していきます。

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