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主婦の仕事が多すぎる

予測はしていたけれど、インドにいると、「家族は? 結婚は?」的なことをぐいぐい聞かれる。だいたい、客間に通されてチャイをご馳走になると、そのたびにお茶請けよろしく聞かれる。
適当な指輪をはめて、「夫は日本で働いてますー。エンジニアですー。息子はアメリカでドクターやってますー」みたいな嘘をついてごまかそうかなぁ、とも思っていたけれど、それはそれで後々面倒くさい事になりそうなので、素直にmeri shaadi "abhi" nahin hui hai(「まだ」未婚です)と答えている。

皆婚の国、離婚率1%の国で「未婚」と言うと、だいたい奥様たちは、気の毒そうな、不安そうな表情をする。いったい、どうしたら結婚せずに生きてこられるのか、この先どうするつもりなのか、心配してくれているのでしょう。

それにしてもインドでの生活は、一家に主婦が2,3人いないと難しいなぁ、と感じる。インフラや行政や民間サービスが追いついていない分、とにかく家族でいろいろ協力しないと生活が回らない。首都デリーですら。いや、デリーだからこそ…?

ここ最近で垣間見た、いくつかのご家庭の様子。

●中央デリーのとある一軒家
水道水が通水するのが、午前と午後のそれぞれ7時半から8時までの30分。この時間にモーターの電源入れて、タンクに水を汲み上げて、バケツいくつかに汲み置きして、飲料水用フィルタータンクに汲んで、洗濯と入浴もなるべくこの時間に済ませる。
ゴミ収集車が9時頃巡回するので、ゴミを手渡しする。
スーパーが徒歩圏内にあるので、数日置きに牛乳を買って、煮沸させて、冷まして、日々のチャイに使う。
週に数回、床掃除のメイドがやって来る。掃除している間は、監視。

●グルガオンの大規模マンション
朝と晩、別のメイドがやって来る。それぞれに指示出し。
運転手に食料の買い出しに行ってもらう。その指示出し。
友達とか、同僚とか、両親とか、親戚とか、泊まりも含めてひっきりなしに来客するのでそのお世話。

●西デリーの団地風マンション
マンション付近にバザールがない。が、野菜買い出しの御用聞きがやって来るので、頼んで持って来てもらう。
敷地内にドービーもいるが、家庭で洗濯する人が多い様子。お昼に数時間干して、わりと速やかに取り込む。遅い時間まで干しっぱなしにしない。
17〜18時頃、サモサ等のスナックの時間。20〜21時頃、夕食。
玄関前にはきれいに植木鉢を並べて、植物を育てる。

そしてどのご家庭も、親戚やら友人やらご近所さんやら、とにかく来客が多い。どこのお家も、玄関入ってまず客間で、バーンと立派なソファセットが置いてある。来客ありき、の構造。そして来客があると、小さめなかわいいトレーにチャイと水とお菓子が3種類くらい載せられて、しずしずと運ばれてくる。来客用のお菓子、ストックしてあるんだろうなぁ。

KHSのベルガール(始業ベル係)も、「毎朝家族のために2,30枚チャパティ焼くのよ…」とぼやいていた。恐れ入る。

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