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メトロのマナー()

マナーとかルールとか常識とか、ごちゃごちゃうるせぇ日本(東京)に比べると、インドは基本的にフリーダム。とは言っても沢山の人々がひしめき合って暮らしていくうえで、なんとなくお約束は醸成されていく。
毎日毎日1時間以上デリーメトロに乗っているので、なんとなくメトロ乗車のお約束が見えてきた。

●荷物検査
意味あるのか? と誰もが思う手荷物X線検査と身体検査。時々ちゃんとチェックしていて、鉛筆削りの刃を見咎められたことがある。が、自分でもすっかり忘れていて、「何も持ってません…」と訴えたら放免された。酒はチャイパニで見逃してもらった話を聞いたことがある。

●チケット(トークン)
トークン販売機が常に故障か激混みなのでスマートカード一択。

●改札
生まれて初めてメトロに乗るのか、という風情の方が常に改札をブロックしている。ブロックされてない改札を探して速やかに移動して割り込む。

●乗車
乗車時は、列を作ったり降車する客を待ったりせずに、わずかな隙間からグイグイ乗り込む。そうでないと一生乗れない。JRのようなご機嫌な発車メロディは流れないので、油断するとドアに挟まれたり乗り遅れたりする。

●女性専用車両
先頭1車両は、常に女性専用。路線や時間帯によっては、特に空いているということもないが、わりと快適。男性が乗車すると複数の人からバンバン注意される。日本(東京)のように「法的根拠はあるんですか?」とか言って居座ったら、たぶんボコボコにされると思う。
通常車両にも、女性専用席が少しある。専用席でも、それ以外でも、席を譲られることが多い。席がない場合でも、「この辺空いてるから」と言って比較的快適に立てるスペースを譲ってもらえることすらある。

●ドア付近
ドア付近に立っていると、乗り降り時の妨げになる。また、日本(東京)のような「一旦降りて降車客に道を空ける」習慣はなく、一度降りると戻れなくなる可能性があるので、乗車後は速やかに隙間を見つけてぐいぐい中の方に進む。

●子ども
インドには、「子どものしつけ」という概念がない。イッツフリーダム。(叩いて叱る母親もいるし、お行儀よいチビちゃんもいる。フリーダムだから)メトロにも、とんでもなく行儀の悪い子どもが乗ってくることがある。2,3発ぶん殴ってドアから投げ捨てたくなるくらい行儀が悪い上に、親も誰も注意しない。靴のまま座席に寝転がって2人分占領して、隣の乗客(私だ)に「どけよー!」と言って蹴り飛ばしたりする。本人も、母親も、祖母も、姉も、当然謝りなどしない。「ちょっと席を空けて」と言われても聞きゃあしなしい、母親も「仕方ないよね」みたいな顔している。
ただ、このクソガキを上手にいなした若い女性がいて、「坊や、お姉ちゃん疲れちゃったから、座らせてちょうだい。ねえ、お願い。お菓子食べる?」と言って聞かせたところ、意外にもちゃんと席を譲り渡していた。(そして今度は車内を走り始めた)すげえな。子どもといえど、インド人。話せば分かる、話さないと分からない。

●降車
降りる駅が近づいたら、その一駅前を出発したあたりで、ドア付近に移動する。混んでいて目の前の人にずれてほしいときは、「エクスキューズミー」「साइड हो जाएँ न (サイド ホー ジャーエン ナ、隅に寄って)」と言って道を開けてもらう。いよいよドア前に立ちはだかる人がいる場合は、「आपको उतरना है?(アープコ ウタルナー へ?、降りますか?)」「उतरोगे?(ウトローゲー?、降りるの?)」と積極的に確認して降車態勢を整える。

●禁止事項
車内での禁止事項は、床に座る、飲食、音楽を鳴らすことなど。皆やってるからこそ、禁止されるのですね。そういえば、さすがに車内で酒を飲む人、ツバ(パーン)を吐く人、タバコを吸う人は見かけない。以前は物乞いの人がいたような気がするけれど、この2か月では見かけていない。

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