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映画『MAIDAAN』

映画『MAIDAAN』をINOX Vishal Mallにて鑑賞。英語字幕付き制作だが、表示なし。

プロデューサー ボニー・カプール
監督 アミト・ラヴィンドラナート・シャルマー
出演 アジャイ・デーヴガン、プリヤマニ
音楽 A.R. レヘマーン

ボニー・カプールは、メジャーなボリウッド作品の仕事はお久しぶりなんじゃなかろうか。本編上映前の、「xxxの思い出に捧げます」にシュリーデーヴィーが出てきて切なかった。亡くなったのは6年前か…。
監督は、アルジュン&ソーナクシーの『TEVAR』の人。
タイトルのMAIDAANは「運動場」の意味。サッカーの物語なので、「グラウンド」か、「ピッチ」かな。実話に基づいているらしい。


とても簡単なあらすじ

1952年、ヘルシンキオリンピック。インドはサッカーで大敗を喫する。分離独立から5年、選手はまともなシューズも履いていないような状況だった。そこからナショナルチームの強化に取り組むコーチ、ラヒーム(アジャイ)。着々とチームは力をつけ、国際大会でも成績を残すが、ラヒームは政治的な思惑に巻き込まれ、また自身の健康問題に直面する。
10年の時が流れ、1962年、インドネシアで開催されたアジア大会。ついにインドチームは金メダルを手に入れる。


アジャイは、いつも良い役を演じる。派手なパフォーマンスはないものの、内に秘めた闘志と誠実さで人を率いる姿がしっくり来る。その分、時々ゴールマールのようなバカバカしい作品に出てくれると、それもまた際立って面白い。

実は前半だけ帰っちゃおうかな…と思うくらい、盛り上がりのない作品だった。でも思い直して最後まで観て本当に良かった。なかなかの良作。
ボリウッドのスポーツものといえば、『LAGAAN』のような特異キャラを集めて奇跡の勝利を遂げるエンターテイメント、『DANGAL』のような感動スポ根、『GHOOMAR』のような人間的にダメなコーチが弟子に才能を託すタイプ、などなどあるが、今回は、またちょっと違った流れだった。実話がベースということもあり、奇抜なキャラやトレーニング、必殺技、奇跡的な逆転劇、精神論、そういうものが一切ない。地道にトレーニングをして、必死で試合に望む、ただそれだけ。たぶん、選手を演じた人々は役者というより本物のサッカー選手なんではないかと思われる。特に後半で試合が続くシーンでは、本物の試合を見ているような感覚を覚えた。ダンス曲はなし。ただし、4曲ほどある挿入歌が、ものすごく良い。
エンドロールでわかったことは、モデルとなったラヒームコーチは、実際の1962年のアジア大会優勝の9か月後に亡くなったこと、そしてこれ以降インドチームは一切サッカーの国際大会で活躍していないこと、当時の選手の写真が流れたが、外見がかなり似た役者を起用していたこと。
ボリウッドでは、実話の偉人のストーリーが割とよくあるが、どれも非常に面白い。

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