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Jimmy Fallon『Tonight Show』アナ・デ・アルマスちゃんとのゲーム、そしてあの悪態について

こんにちは。いよいよ冬本番という感じの寒さですね。
今回はジミーがアナ・デ・アルマスちゃんと「Box of Lies」というゲームをする動画を訳しています。アナちゃんのたどたどしい英語とかわいらしい仕草に思わず笑ってしまうジミーの反応が素直で面白いです。スクリプトに入る前に、動画内でアナが口にするあの悪態について少し書いております。よろしければ読んでみてください。
☆触れている映画☆
・マトリックス
・ロッキーホラーショー
・パルプフィクション

"God damn it!”について

動画内でゲームに負けたアナちゃんが呟く言葉です。あるいは単にgod damnとも言いますね。
今回調べて初めて知りましたが、damnは「(神が)罰する、地獄に落とす」という意味の動詞なんですね。もともとは「神よ、呪ってくれ」くらいの意味の悪態になるんでしょうか。「畜生!」ほどのニュアンスで、映画を見てるとものすごくよく聞きます。『マトリックス』冒頭でエージェントが現場に来ていることを知ったトリニティが毒づくときもこの表現を使っていましたが、モーフィアスには「集中しろ」と嗜められます。それくらいの表現です。アナちゃん、英語があんまり上手じゃないのもあってなんだか可愛い表情で使ってますがそのギャップがまた面白い。あー。レザレクジョンズはやく観たいなぁ。(本日公開)
ではこのフレーズに関する映画の話題を2つほど。

①ロッキーホラーショー


一部に熱狂的なファンを持つこのミュージカル(オカルト)映画ですがご存知の方いらっしゃいますでしょうか。私はコスプレして二度ほど上映会に行ったクチです。
この中に『damn it! Janet』という曲があります。明らかに韻を踏むためだけにdamn itって言ってます。これ、プロポーズの歌なんですが、そのシチュエーションと言葉遣いのギャップがシュールです。妙に耳に残るフレーズで、『シンプソンズ』でもこれにちなんだタイトルの作品があったと記憶しております。
ちなみに日本語版のロッキーホラーショーの舞台では「もうダメt!ジャネッt!あいらーびゅー♪」と歌っています。ダメットってなんじゃい。

②パルプフィクション


主人公の殺し屋二人組のうちの一人ジュールスは、あることをきっかけに突然神を信じるようになります。足を洗うことを決意したジュールスに、ヴィンセントは「何言ってんだ」とばかりに呆れてしまいます。
V: Jesus Christ.
J: don't blaspheme.
V: God damn it!
J: I said don't do that!
jesus christはそのまんまイエス・キリストのことですが、英語では「なんてこった」くらいの悪態としてよく使われます。神を信じるようになったジュールスはこの悪態に敏感に反応して、「don't blaspheme(神を冒涜するな)」と嗜めているわけです。続いて「god damn」と思わず呟いたヴィンセントに対して、「だから冒涜するのはやめろ」と怒るという言葉遊び(本人は真剣に怒ってますが)の展開です。が、これ絶対日本語に訳せないですよね。
吹替えでは、
V:おい冗談だろ
J:邪魔するな
V:何言い出すんだよ
J:邪魔するなってんだよ
などとなっていたと記憶しております。やはり、原文はほぼ無視した翻訳ですね…。

日本語では古い表現で「南無三」(『走れメロス』でも登場、ブラックジャックもよく使っていた)というものがあります。他国同士でも、ショックを受けたとき咄嗟に神仏に関する言葉を口走ってしまうという共通の反応を示しているのは興味深いですよね。
感嘆詞としてはイタリア語の「mamma mia」なども有名ですが、「思わず口をついて出る言葉」が神ではなく母ちゃんな辺り、よくお国柄を表しているなと思います。

god damnについては祖母の面白い思い出話もあるのですが、1万字を超えてしまったのでそれはまた別の機会に…。

リンクとスクリプト


それでは、アナ・デ・アルマスちゃんとの「box of lies(嘘の箱)」ゲームです。どうぞ。

リンク

J welcome back to “the Tonight Show”. We’re about to play a game of “Box of Lies”, but I’m gonna need some help. So joining me now is one of the stars of the new James Bond movie “No Time to Die”, which opens in theaters today. Please welcome Ana de Armas!
おかえりなさい!(CM明け) 「ボックスオブライズ」をやっていきます。一人でやるわけじゃないですから、本日公開のボンド映画(No Time to Die)からスターをお迎えしましょう。皆さん、アナ・デ・アルマスさんです!
(喚声)
J very happy. Now here’s how it works. We have nine mystery boxes containing objects no one has ever seen before. On your turn, you pick a box, take out an object, and describe it to your opponent. Then they have to guess if you’re lying or telling the truth. We’ll play three rounds. Ana, why don’t you pick the first box?
嬉しいわあ。さて、ルールはこうです。9つの箱がここにあって、中には見たこともないようなもんが入ってます。順番に箱を取って、中身を取り出し、相手にその中身を説明すると。相手はその人が嘘をついてるかどうか当てるという。3回戦ですよ。アナ、それじゃ最初の箱を取って。
A of course.
はーい。
(観客、「5!」「8!」などなど)
A I can’t hear anything.
何も聞こえないわ。
J No, you can’t hear. Now they’re yelling every number. Yeah, they’re just…
そやね。もう全部の番号叫んでるんちゃうか。
(アナ、5番の箱を取る)
J yeah, they li… 5’s a… Okay, Oh, this could be acting right now. I don’t know if it’s heavy or…
みんなもう・・・5番ね。あ、これももう演技かもしれん。重いのかなその箱・・・
A Doing this with heels is not good.
ヒールでこれやるの大変。
J Alright. Now, you open it, and then you place it out here so that the audience can see. And the lying begins now… or the truth telling begins now. Here’s where the game becomes…
笑 そやね。それじゃ開けて。観客の皆さんに見えるように置いてね。嘘にしてもほんとにしても今からスタートやで。ここからもう・・・
A okay.
いいわ。
J exciting.
盛り上がる。
A what!?
ええっ?
(アナ、箱から物を取り出す)
A this is very creepy. Don’t look.
怖いんだけど。(ジミーに)見ないでよ。
J I’m not looking. I can’t see it.
見てへんよ。見えへん。
A Who thinks of these things?
誰がこんなもの考えるの?(やや文法的に怪しい)
J wha… who thinks… are you asking… Yeah. Okay.
え・・・?誰が考えるって?あ、そういうことね、はいはい。
A What to put in these boxes?
箱の中身。
J yeah.
うん。
A Okay.
いいわ。
J all right. Describe, describe.
ええよ。教えて。
A wow. 
うわー。
J what? What is in… what is in box number 5?
何?5番の箱には何が入ってたん?
A oh my gosh. So…. This is a…
あー。それじゃ・・・これは・・・
J you’re lying.
嘘やな。
(アナ、びっくりしてジミーを見る)
二人:笑
J Oh, wait. 
いや待てよ。
A the… so maybe I don’t know how to say something in English, so…
ええと・・・英語がわかんないかも。
J Okay.
うん。
A you know.
ね。
J Okay.
ええよ。
A is it “pumpkin”?
これ・・カボチャ?
J Okay, that sounds about right. Topical.
うん、合ってそうやね。季節的にも。
A Okay. With three people taking… it’s like a Jacuzzi pumpkin.
よかった。で、3人の人が・・・ジャグジーカボチャみたいな。(やや発音が怪しい)
J I just want to hear you say “Jacuzzi pumpkin”, like, forever, like…”This is jacuzzi pumpkin”.
笑笑 ジャグジーカボチャ!もうなんか、ずっと聞いてたいなそれ。「これジャグジーカボチャだわ」って。
A Oh.
もう。
(二人:笑)
A Gonna get better.
練習するから英語。
J Alright. So, is there three people in the pumpkin?
わかった。つまりカボチャの中に3人の人がいると。
(アナ、笑いが止まらない。ジミー、それを見て笑う)
J what?
ええ?
A Ah! In the jacuzzi.
ジャグジーに!笑
J uh- huh.
はいはい。
A Okay. One is… I really don’t know who these people are, but…
OK。一人は・・・ほんとにこの人たち知らないんだけど、でも・・・
J you should know them.
知ってるはずやで。
A they’re…they are…murderers. They are like… but people. This is bad people.
この人たちは・・・その・・・サツジンシャ。あの・・・悪い人。悪い人たち。
J Okay. These are three murderers in a pumpkin hot tub.
つまり、カボチャのお風呂に。3人の殺人犯。
(二人、笑)
J Now, if this is a lie, then I will give you a million dollars. There’s no way you can be making this up.
これ嘘やったら100万ドルあげるわ。こんなんでっち上げられるわけがない。
A wait.
待って。
J I’m gonna say… there’s more?
それじゃ・・・まだなんかあんの?
A Smells good.
いい匂いがするの笑
(ジミー、笑)
J Okay, I’m going to say…Ana de Armas…
よし、じゃあね、アナ・デ・アルマス・・・
(アナ、再び笑いが止まらない。ジミー、つられて笑う)
J You are telling the truth.
本当のことを言ってますね。
A you sure?
そう思う?
J yes.
はい。
A god damn it.
畜生。
J did I… let me see it.
正解?見せて。
A who are they?
誰?これ!
J oh, yeah. You don’t know them? Oh, no, that’s…
ああ!え、知らんのん?いやこれ・・・
(二人、笑)
J Yeah, that’s from “Halloween”. That is Jar Jar Binks.
そうやん、これは『ハロウィン』のキャラやし、こっちはジャージャービンクスや。
A this is “Friday the 13th”, isn’t it?
これは『13日の金曜日』でしょ?
J that’s  “Friday the 13th”, yeah, yeah.
そうそう。
A I don’t know what that is.
これ知らないの。
J Yeah. I don’t know why he’s… he’s drinking in a Jacuzzi…
そう。なんでこの人ジャグジーで酒飲んでんねん。
A Looks like a shrimp to me.
エビみたい。
J No that’s not a shrimp. It’s from a “Star Wars” movie. 
エビちゃうわ。スターウォーズのキャラやんか。
A Oh.
そう?
J A shrimp. It’s Jar Jar… oh, yeah.
エビって。ジャージャーいうて・・・まええか。
A I don’t know.
知らない。
J Good. Alright. Here. You can put that right here.
まええわ。それじゃその箱そこに置いといて。
A Okay.
はい。
J Alright. Which number shall I…?
よし。何番にしましょ?
(観客、番号を叫ぶ)
J I heard a 3. I heard a confident 3. And here we go.
3が聞こえたで。自信たっぷりの。よいしょ。
(ジミー、大袈裟に重いふりをする)
A You are so bad.
悪い人。
J thank you. It’s so heavy. Oh, my gosh.
そりゃどうも。おっも。いや重い。
(ジミー、歌いながら箱から物を取り出す)
A  It’s very tempting. Like, I want to…
いい感じね。なんだか・・・
J Yeah, I…
せやろ・・・
(ジミー、さらに中身の箱を開ける)
J I get it. I get it. It’s a lot… It’s a box inside of a box. And in there is a… it’s a bunch of butter knives with a cable-knit sweater over…a tiny sweater over it. I’m assuming this is a Chris Evans reference. And it’s…
なるほど。なるほど。箱の中身はさらにまた箱やったわ。その中には・・・バターナイフの束があって、ケーブルニットセーターが着せてあったわ。ちっこいセーター。多分これはクリス・エバンスが元ネタやな。(注:アナも出演した『ナイブズ・アウト』でクリス・エバンスは白のセーターを着て登場する)そんで・・・
(アナ、笑)
J a sweater over a bunch of knives, butter knives.
バターナイフの束にセーターが着せてある。
A What? No.
ええ?まさか。
J I wish I could…
いやーもうちょっと・・・
A So, that’s a Chris Evens reference, and you just went and picked that one out? That’s very strange. So, you knew that that was there.
つまりそれ、クリス・エヴァンスのネタで、たまたまあなたが取ったってこと?おかしくない?知ってたの?それがあるって。
J Well, we knew that you were gonna be on the show, so, yeah.
まあ、アナちゃんが出演するのはわかってたからね。
(アナ、考え込む)
J you’re in “Knives out”.
クリスと「ナイブズ・アウト」出たでしょ。
A No, I remember that. 
覚えてるわよ。
J Yeah, yeah. So they probably thought that you would get it, I’m assuming. And then you would have to laugh. And think of your memories from being with Chris on set.
せやろ。だからスタッフは、アナちゃんがこの箱取ると思ってたんとちゃうか。推測やけど。そしたらあなた笑うやん。でクリスとの思い出を思い出してもらって。
A I think you’re also telling the truth, because you just said it, like, very fast. And like…
本当のことも言ってるっぽいけど。なんか、すごい早く言ったから。で・・・
J I wish it was funnier.
もっとおもろいもんやったらなあ。
A Yeah, it’s not that funny.
そうね、笑えるわけじゃない。
J No, it’s pretty serious.
結構まじめ。
A Yeah.
そうね。
J think I’m telling the truth?
本当のことやと思う?
A Telling the truth.
本当ね。
J I’m lying.
嘘でした。
A No, you’re not!
うそ!
J Yes. It’s a “Marriage story” lunch box.
嘘や。『マリッジ・ストーリー』の弁当箱やで。
A Oh, my god.
えー。
J Spinning Adam Dri…
回るアダム・・・笑
J They’re arguing.
喧嘩してんねん。
A God damn it!
畜生。
J Scarlett Johansson and Adam Driver are arguing with each other, spinning around…music box.
スカーレットヨハンソンとアダムドライバーが喧嘩してる。回転しながら・・・ミュージックボックスやな。
A Yeah. I can see.
そうね。確かに。
J thank you. Hey. That was some good acting, I thought.
どうも。いや、いい演技だったんちゃうか。自分。
A that was so fast.
早かったわね。
J that was quick thinking. I thought… yeah, thank you. I know. Alright, here we go. This one’s for all the marbles. Ana, this one’s for 10000 points.
頭の回転がな。いやどうも。そやねん。さて、いきましょうか。一か八か。アナ、これ10,000点やで。
(観客、番号を叫ぶ)
(アナ、箱を取る)
J controversial choice. I would have went with 7, myself.
(おどけて)まさかの選択やな。俺やったら7に行ったな。
A This one’s very light. Very light.
軽いわ。軽い。
J Okay, very light. Why would you do that? Oh, maybe…
そやな、めっちゃ軽い。なんでそんなことしたん?あ、ひょっとして・・・
A Just to show you.
見せようと思って。
J yeah. But maybe you’re…NO?
そやな。でもひょっとして・・・ちゃう?
A I don’t know.
さあ。
J Okay, I don’t know either. It’s very tricky.
うんどっちやろな。トリッキーやな。
A why is this…what is this?
なんで・・・何よこれ。
J if it’s another pumpkin with murderers in it…
また極悪人とカボチャなんか。
(二人、笑)
A No, it’s…
違うけど・・・
(アナ、物を箱から取り出す)
J I don’t… you’re making a.. I have no idea what it is.
どうなんや・・・アナちゃんは・・・いや全然わからんな。
A Well, trust me, this is very strange.
ほんとよ、めちゃくちゃ変なもの。
(アナ、途方に暮れる)
J Ana, just take a breath… 
アナ、深呼吸して・・・
A Okay.
ええ。
J …and describe what you see.
何か教えて。
A Okay, so…It’s a turtle. “Turtle”?
いいわ。えっとね・・・コメ。カメ?
J Yeah.
はい。
A Okay.
そう。 
J turtle.
カメね。
A Did I… turtle.
合ってる・・・?カーメ?
J Tur…tur…turtle.
カ・・・カメね。
A Tur…turtle.
カ・・・カメ。
J turtle. Oh, it’s a turtle, okay.
カメ。あー、亀ね。はいはい。笑
A Yeah, but instead of a… 
そう、でもアレの代わりに・・・
J shell?
甲羅?
A shell.
そう甲羅。 
J Uh- huh.
なるほど。
A …it’s a hamburger.
ハンバーガーなの。
(観客、笑)
A Like, they dressed the… the turtle lives in the burger.
なんか、着てるみたいに・・・バーガーの中に住んでる亀。
(ジミー、笑)
J “The turtle lives in the burger” is so great. 
「バーガーの中に住んでる亀」。最高やな。
A a turtle burger.
亀バーガー。
J It’s a turtle burger. The turtle lives in a burger. It’s almost like an acting exercise.
亀バーガーね。バーガーの中に住んでる亀。芝居の稽古みたいやな。
A It’s on top of…
てっぺんに・・・。
J “The turtle lives in the burger. The turtle… Okay, and let’s yell, ‘Action’”.
バーガーの中の亀、バーガーの・・・よっしゃ。「アクション!」って。
A Yeah.
そうね。
J So, it’s a turtle inside of a burger.
じゃ、バーガーの中に亀がいると。
A The shell is the burger.
甲羅がバーガーなの。
J The shell is a burger.
甲羅がバーガー。
A Yeah.
そう。
J That sounds like something our props department would do.
うちの小道具係がやりそうなことやな。
A yeah.
ハハッ笑 そう。
J But I’m not smelling any hamburger. And I got to use all my senses here, with this game.
でもハンバーガーの匂いはせえへん。全感覚を使わなあかんからなこのゲームは。
A you didn’t smell the Jacuzzi, either.
ジャグジーの匂いもわかんなかったでしょ。
(一同、笑)
J that’s true that I did not…
それもそうやな・・・
(ジミー、少し考える)
(アナ、耐えきれず笑う。「お手上げ!」みたいな仕草をしてしまう)
J ah… that might have been a little give there. You were like… why would you do that if you were telling the truth? which means…
ああ!今のでわかったかもしれん。あなた今・・・ほんまのこと言ってたらその仕草するか?つまり・・・
(アナ、取り繕って「さあ?」みたいなそぶり)
(二人、笑)
J Ana de armas… you lie!
アナ・デ・アルマス・・・嘘や!
J Let me see.
見せて。
A Oh, come on ! This is…
もう!これ・・・
J Oh, my gosh! I did it again?!
ええ!また正解か!
(二人、ハイタッチする)
J Finally, I did really good. Wow!
やっとやな。俺うまいなこのゲーム。
A What is that?
何これ。
J that was a good…Turtle burger was good! I like turtle burger. We’re going to put that in the next game, by the way, in honor of you! 
よかったなあ・・・・亀バーガーはよかったわ。好きやわ亀バーガー。次の回で箱に入れとくわそれ。アナちゃんに因んで。
A Thanks.
ありがと。
J Ana de Armas, everybody!
アナ・デ・アルマスさんでした!

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