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ジャック・アタリ「食の歴史」

ヨーロッパの頭脳と名高い
ジャック・アタリの著書
食の歴史」は
そのタイトル通り、
食をキーにして歴史の変遷をたどる一冊。

「人間は食べたものでできている」
「医食同源」
という言葉を
改めて感じさせてくれるこの本は
歴史の本という体裁を取りつつ、
現代に近づくやいなや、
突如変貌を遂げる。

それはまるで、
レストランで頼んでいた
コースの内容が変わる、
というよりも
食事の最中に突然店自体が変わった
という感じで、だ。

その変貌は、
今まさに
現在の私たちが直面する食の現実と
派生する諸問題であり、
それらから見通せる未来に、
かつて人類が経験したことのない
混乱を予想させるに
十分なインパクトを与える。

ただ人の営みが進んでも、
食に関する問題の根底は同じだ。

かつての人類も、
食によって混乱を招いたように、
その予兆は、
今も地球上のそこかしこに見られる。

歴史に範を取りつつも、
私たちは歴史の最先端にて、
その一食を今日も口に運ぶ。

だがしかし、それは
必ずしも
「人間は食べたものでできている」
という、
ごく当たり前のことだけを意味しない。
(今日のランチはなににしようか
という悩みは、
今を生きる私たちにとって、
大きな課題であり、楽しみなのだ)

「今日食べたもののエネルギーを活かして、
あなたは食の未来にどう活かしていくのか?」
というジャック・アタリから
私たちに突き付けられた
肉用ナイフのよう鋭い問いは
食後のコーヒーの時間だけでは
とても答えがまとまることはない。
しかし、容赦なく私たちの生命がかかった
大問題なのだ、
と感じさせてくれる一冊

本書の詳細はこちらから➡️
ジャック・アタリ「食の歴史」

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