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「#第11回書くを楽しむ140字小説コンテスト」結果発表+講評!

 こんにちは。カクタノコン主催のmimi(@mimi_00_coco)です。

 第11回大会は、140作の力作が集まりました。
 (上記画像では138作となっておりますが、正しくは140作です。ソフトエラーのため、後ほど画像を差し替えます)
 今回は応募期間中にクリスマスが控えていたこともあり、作品もそちらを意識されたものが非常に多かったように思います。
 同じ題材でも、やはり書き手によって切り取り方・描き方は十人十色で、読み手の方々も、その違いを大いに楽しまれたのではないかと思います。

【大賞】 海を見に行く さん(Amazonギフト券3000円分贈呈!)

 大賞は、海を見に行く さんの作品です。
 《クリスマス》はキリスト教にゆかりのあるイベントですが、この物語の主人公は寺の息子ということで、祝う習慣がなかったのかもしれません。
 しかし、一年いい子に過ごしていた主人公の姿を、きっと如来さまはしっかり見ていたのでしょう。
 プレゼントの主が如来さまなのか、他の誰かなのかは謎のままですが、備えられた大福を子どもたちに分け与える、宗教の垣根を越えたクリスマス風景が繰り広げられているのが面白く、今回の大賞に選ばせていただきました。


【優秀賞】  創作する茶々 さん

 優秀賞は、創作する茶々 さんの作品です。
 清少納言の「枕草子」になぞらえて、恋人と過ごした一年の様子を瑞々しく切り取り、描いた作品でした。
 再び巡る季節の中で、また別の景色が見えてくるのかもしれません。
 名古典作品を現代の恋愛物語へと書き換えるアイデアのよさと、初々しく微笑ましい2人の様子が直に伝わるような筆力が魅力で、今回の優秀賞に選ばせていただきました。


【審査員特別賞】 夏至肉 さん

 審査員特別賞は、夏至肉 さんの作品です。
 歳を経て少しずつ生活様式が変わり、その中で開きつつあった父と子の微妙な距離感に焦点を当てた物語でした。
 飲むコーヒーの微妙な変化に引っかかる細かさが親子らしくもあり、毎日朝の時間を共にしてきたからこそ共有できる感覚でもあり、直接的なやりとりこそないものの、2人らしい不器用なコミュニケーションが垣間見える作品でした。


【Pick Up①】 れんが さん

 そして、ここからはピックアップとして、気になった作品をいくつか挙げさせていただきます。 

 1作目は、れんが さんの作品です。
 師走の日常を切り取った物語かと思いきや、最後の一文で、その日常が閉ざされた空間にいる2人が季節感覚を失わぬよう、必死で作り上げた風景だと分かります。
 なぜ2人がシェルターにいるのか、なぜ死ぬまでそこにいなければならないのか等々、多くの謎が残されていますが、あえてそこを読者に委ねることで、2人のこれまで・これからを想像する面白さがありました。


【Pick Up②】 すくな さん


 2作目は、すくな さんの作品です。
 淡々とした語り口ながらも丁寧に重ねられた描写が魅力で、
その儚くも切ない、しかしながら美しい、幻想的な世界観が140字の中でしっかり表現されており、引き込まれました。


【Pick Up③】 中村 繚 さん

 3作目は、中村 繚 さんの作品です。
 命の神秘と子どもの成長を、母親の目線からリアルかつユーモラスに書き切った物語でした。
 伸び伸びと成長した息子に驚きながらも、そんな彼の成長をさらに後押しするように弁当を詰めるさまも母親の姿も微笑ましく、ほっこりとさせられます。


【Pick Up④】 amanatz さん

 4作目は、amanatz さんの作品です。
 サンタの正体がバレてしまいハラハラ…な物語かと思いきや、まさかの父親が本物のサンタというオチで、いい意味で期待を裏切られました。
 世界中の子どもたちに夢を与える父親を誇らしく思いながらも、その背中を押す息子の姿が頼もしくも感じられる、素敵な物語でした。


まだまだ素敵な作品がたくさんあります! 全応募作はこちら!

 こちらでご紹介させていただいたのは、ほんの一部で、このほかにも魅力溢れる作品はたくさんあります!
 今大会の応募作品は以下のリンクからすべて読むことができますので、ぜひ読んで、お気に入りの作品にリアクションされてみてください!

応募作品集①(100作)
応募作品集②(40作)


第11回大会連動「私の大賞」企画はこちらから!

応募期間終了後、「第11回書くを楽しむ140字小説コンテスト」応募作の中から、読み手の皆さんのイチオシ作品を選んでもらい「私の大賞」として推薦していただく企画も行っています!
今回は25の推薦があり、大いに企画を盛り上げていただきました。
誠にありがとうございました。

第11回大会連動企画「私の大賞」(25)


最後に

 以上、結果発表と講評でした。
 今回もたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございます。 
 そして次大会は12回目、カクタノコンの1周年記念であり、一度ここでカクタノコンは大きな区切りを迎えます。
 第12回大会は、大会概要2022年1月16日(日)19:00ごろ発表。
 そして作品の募集期間は2022年1月22日(土)19:00〜1月30日(日)19:00です。
 これからも「#書くを楽しむ小説コンテスト」をよろしくお願いいたします。

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