中渡島灯台・ウズ鼻灯台|愛媛県今治市
中渡島灯台(C)|愛媛県今治市 2021年10月22日
潮流が10ノット以上にもなり、古くから船乗りたちに恐れられていた阪神と九州を結ぶ来島海峡最初の航路標識として1900年(明治33年)4月に設置。灯塔構造は円形石造。
来島海峡は潮流の方向により航行する水道が変わる世界唯一の航路で、中渡島灯台は1909年(明治42年)に中渡島潮流信号所として業務を変更。昼間は腕木式潮流信号機(鉄製は国内唯一)、夜間は灯火によって潮流の方向を103年間にわたり示していた。2012年(平成24年)に信号所が廃止にあり中渡島灯台として復活。腕木式潮流信号機は廃止まで使用されていた二代目が今治港のコンコースに移設保存されている。
中渡島灯台は近隣の大島で産出される国会議事堂や赤坂離宮などにも使用されている高級御影石「大島石」で建設され、国内の石造灯台のほとんどがゴツゴツした「コブ出し仕上げ」「割肌仕上げ」の中、その仕上げは明治30年代の石造灯台には珍しい滑らかな「のみ切り仕上げ」となっている。瀬戸内海の灯台で同様の仕上げでは同じく高級御影石「庵治石」を使用した男木島灯台がある。
(参考=『燈光』 2021年3月号〈明治の灯台の話〉より)
ウズ鼻灯台|愛媛県今治市 2021年10月22日
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