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旧品川灯台|愛知県犬山市(明治村)

旧品川灯台(廃灯)|愛知県犬山市(明治村) 2022年12月12日

 1870年(明治3年)3月5日に点灯。幕末に江戸防衛のために築かれた品川台場のひとつ第二台場の南西端に建設された。洋式灯台としては観音埼、野島埼に続き日本で三番目の灯台。また観音埼灯台、野島埼両灯台が関東大震災により倒壊したため、品川灯台は日本に現存する洋式灯台では最古のものとなる。設計は横須賀製鉄所首長のヴェルニーのもと、灯台技師で建築課長ルイ・フェリックス・フロラン。
使用された7500個の煉瓦は横須賀製鉄所で作られたが、レンズや金属部をフランスから輸入したため、風見の西がフランス語の“OUEST”の頭文字の“O”となっている。

風見の西がフランス語の“OUEST”の頭文字の“O”

 品川灯台は日本で三番目に建設された洋式灯台ではあるものの、改税約書で設置が決められた条約灯台ではなく、横浜居留地と築地外国人居留地を出入りするフランス商人からの要望により設置されたとみられている。
 1957年(昭和32年)、東京湾の拡張工事により第二台場が撤去されることになり12月に廃灯。同年3月7日には品川灯台の長年の功績を称え、東京都を始め、海上保安協会東京支部、海事関係諸団体、作家・吉川英治を会長とした品川文化人クラブの支援のもと東京芝の工業奨励館にて品川灯台消灯式という灯台史上珍しい式典が執り行われた。1964年(昭和39年)に愛知県犬山市の明治村に移築され現在に至る(灯塔のみ)。1968年(昭和43年)に灯台としては初の国の重要文化財に指定されている。
 品川台場のひとつ御殿山下砲台の跡地である区立台場小学校の校庭入口には品川灯台のレプリカが置かれている。

中国大連湾の南三山島灯台に設置されていた霧砲
ブラントンの指導により建設された菅島灯台の附属官舎も同敷地で保存。展示室となっている。
小説『潮騒』の舞台「神島」の灯台で使用されていたレンズ


参考
『燈光』 2006年4月号
『燈光』 2006年5月号
しながわ観光協会 







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