宗谷岬灯台|北海道稚内市
宗谷岬灯台|北海道稚内市 2022年7月16日
北海道の航路標識は1871年(明治4年)に函館灯船、翌年に根室弁天島に灯竿、納沙布岬に灯標(後に灯台)が設置されたものの、本格的な灯台建設は12年後の1883年(明治16年)の日和山灯台設置から始まり、その後の11年間に道内で22基が建設された(日露戦争前夜におけるロシアとの緊張関係が大きな理由)。
日本最北の灯台となる稚内灯台は1885年(明治18年)9月25日初点。北海道では根室市の納沙布岬灯台、小樽市の日和山灯台に次いで三番目に古く設置された灯台。
初代宗谷岬灯台は現地での建設資材の入手や作業員の確保が困難だったため横浜の燈台局工場で製造された。しかし初代宗谷岬は1911年(明治44年)に山火事で退息所とともに焼失。焼け残った2等フレネルレンズは横浜燈台局の工場で灯台技師であった町野無一と岡本一郎によって磨き直され1920年(大正9年)に能登猿山岬灯台で転用された。レンズは現在石川県の道の駅「赤神」で展示保存されている。
翌1912年(大正元年)には焼け残った灯塔を再利用し初代とほぼ同型の鉄造宗谷岬灯台が建てられ、1954年(昭和29年)にはコンクリート造として建て替えられて現在に至る。
参考
『燈光 2017年3月号』(公益社団法人 燈光会)
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