横浜北水堤灯台|神奈川県横浜市
横浜北水堤灯台(B)|神奈川県横浜市 2021年12月30日
明治の初めから国際貿易港として栄えた日本の表玄関港である横浜港に1896年(明治29年)5月16日に築造・点灯。設計はイギリス人技師ヘンリー・スペンサー・パーマー。赤色・鉄造六角形の四層構造。防波堤灯台としては日本初であり、また東京湾の現役航路標識としても最古のもの。
灯台築造以前は“灯竿”によって港内を航行する船舶の安全を図っていたがこれを廃止し鉄製の灯台として赤色の横浜北水堤灯台が築造された。しかし1923年(大正12年)の関東大震災により脚柱6本が湾曲。仮復旧の後に鉄骨がむき出しだった下部をコンクリート製にし翌年7月に復旧され現在に至る。
堤防灯台が赤色の意味は、港に向かって航行可能水域の右端を示し、、白色の灯台は左端を示していて、赤と白がペアで港の入口に堤防上に建てられている。赤色の横浜北水堤灯台には当然ペアである白色の横浜東水堤灯台がH・D・パーマーの設計で同じ築造された。しかし1958年(昭和33年)4月14日にアメリカの軍艦を避けようとした客船カロリナ号が東水堤に激突し東水堤灯台をなぎ倒す事故が起きる。引き上げられた東水堤灯台は、昭和38年に氷川丸が係留れている桟橋に移設保存され今日でも見ることができる。
かつての横浜東水堤灯台の役割は現在緑色の浮標(東すいてい)が担っている。
参考=『明治期灯台の保全』(財団法人 日本航路標識協会)
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