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書評とかレビューとか

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これまで各媒体で掲載された書評や本のレビューなどをアーカイブしております。
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#書店員

書評とかレビューとかの目次

レビュー、書評に取り上げた書名を五十音でINDEXにしました (2024.3.29更新) ◆あ◆『アウトロー・オーシャン 海の「無法地帯」をゆく 上・下』イアン・アービナ『あかんやつら―東映京都撮影所血風録』春日太一『アニメーションの女王たち ディズニーの世界を変えた女性たちの知られざる物語』ナサリア・ホルト『アメリカは食べる。』東理夫『アランの戦争 アラン・イングラム・コープの回想録』エマニュエル・ギベール『ある犬の飼い主の一日』サンダー・コラールト『イエロー・バード』

大田区ブックナイト!「書店員さんだらけのクイズ大会」のクイズの監修・作成をしました。

ツイキャスにて、大田区ブックナイトvol.8「書店員さんだらけのクイズ大会」のクイズの監修と作成をいたしました。

16の書店主のはなし 第2話

「うちの店を潰す気か」

注)2013年に書いた記事です。 2013年当時に私が店長をしていた書店の雑誌販売の実例です。 「うちの店を潰す気か」と思ったのは確かです。 1月から雑誌に自ら手をつけて2ヶ月、定期改正(※雑誌の入荷数を店側がオーダーする業務。あくまで希望数。)が増えない。増えないというか減る。 発売後の追加発注でなんとか数を確保しようとしているが、追加効くものも限られるし、「追加発注」が所詮応急処置なもので、雑誌売場運営では健全ではない。  現在雑誌担当として最重要の仕事は月刊誌の発売後

目的はひとつ|私は本屋

 書店員として働き始めたとき、僕は漫画ばかり読んでいた。ほぼ全雑誌をチェックし、給料のほとんどを漫画に費やし、会社に給料を返しているといっても過言ではなかった。そしてコミックを担当していた。コミックの知識では勤務先の店、いや会社でだれにも負けないと自負していたし、陳列やPOPもこだわりぬいていた。当時の店ではコミックを担当できるのは僕しかいなかった。  そして別の店舗へと異動になった。担当は学参と専門書。コミックの担当ではなかった。担当を指名した当時の上司であった店長を恨んだ

本屋ということ/コラム《本にまつわるいくつかのお話》最終回

 ある日、一人の少年が右手に持った小銭を数えていた。左手に持っているのは小説の単行本。少年は小銭と本の値段を見比べている。 本を買うのにお金が足りるか数えているのだ。 少年はその本をどうやって見つけたのだろうか。どうして読みたいと思ったのだろうか。  書店には違いがある。 その違いに気づく人は実は少ない。 例えば、本は店頭でただ単に並べられていると思われているが、本を置く場所は、書店員が最大の注意を払う仕事なのだ。多くの人の目につく場所だろうか、手に取りやすい高さだろうか、

本の問い合わせの難しさ/コラム《本にまつわるいくつかのお話》第五回

書店で働いていて一番難しい問い合わせは「オススメの本ありますか?」である。 「オススメ本」と一口に言っても、問い合わせに対して僕が面白かった本をそのままお客さんにオススメすることはない。例えば僕が面白かったと思う本をあげよう。  将棋の名人大山康晴のアンドロイドが何者かに殺(?)され、立川談志と古今亭志ん生のアンドロイドが掛け合い、バーチャルスペースでは多数の志村けんがアイーンと連呼して行き会うなか、主人公のジャズピアニストのフォギーが世界を揺るがす事件に関わっていく『ビビビ