『岩壁よ おはよう』 長谷川恒男
長谷川恒男が21歳のころ、当時ほとんど手つかずだった千丈岳南西壁の山行許可を取るために所属していた山岳会の会長宅に行った話が印象的。
長谷川はルート開拓や難度の高いルートで会全体の能力を高めるのが山岳会の使命ではないか、会員の望む難しい山行をもっと許可してほしいと嘆願するが、会長は「うちの山岳会ではそういうことはいらないんだ。平均的な山登りをしていればいいし、背伸びしてはいけないんだ」とにべもない。
努力している連中にもっと登山許可を与えて欲しいと言うと、会長は「そんな能力、