業我捨-Gogasha -/ゴウガシャ【ゲームマーケット2023春】
□○GAMESではゲームマーケット2023春 両-ス08にて前回に引き続き新作ゲームを2作品発売します!
GALAXY ECLIPSEに続き、今回は業我捨-Gogasha-のご紹介をさせて頂きます。
煩悩を捨て、未練すら捨て、涅槃に向かわん
業我捨-Gogasha-は2人対戦用の互いの業が交錯するババ抜きライクなトップ系ゲームです。
各プレイヤーは4つの因果の描かれた手札と場札で3ラウンド分のデッキを構築し、互いの因果を引き合い、一致した因果を業として捨て輪廻の果てに涅槃を目指す事が目的となります。
ゲームの進行は大きく分けて3ステップ
自らと相手の伏せられた場札を選択し公開!
相手の手札を一枚引く!
一致した絵柄があれば手札から捨て札に捨てる!
以上を1ターンとして繰り返し、3ラウンドの勝負の後、カルマポイントがより低いプレイヤーの勝利となります。
より詳細な説明は、動画を用意してありますのでこちらをご覧頂ければ幸いです。
動画によるルール説明
現世を生きるか、来世に託すか、捨て切れぬ因果を見極めよ
業我捨-Gogasha-の攻防の目玉は、自分と相手の選択した現世(今のラウンド)でのデッキの噛み合いから、場札と手札の読み合いと、デッキ構築の予測による来世(次のラウンド)への撤退タイミングの押し引きと言っていいでしょう!
二つの思惑と因果が交差するデッキ構築
ババ抜き系のトップ系ゲームでは手札が捨て切れる前提でのゲームデザインが多いのですが、デッキ構築型ゲームである業我捨-Gogasha-はひと味違います。
業我捨-Gogasha-ではゲーム開始前に、4種の因果カードが各3枚と仏カードの13枚の手札と、そこから仏カードを抜いた場札12枚を各プレイヤーが3ラウンド分のデッキに分け構築します。この際に互いにデッキ構築は秘匿され、相手がどのような手札と場札の組み合わせであるかはゲームの進行以外で知ることはできません。
更に言うのであれば業我捨-Gogasha-ではそれぞれ相手と自分の場札を揃えた場合と、手札を揃えた場合の2つの手段で手札を捨てることができますが、相手の手札から引いたとしても元々の自分のカード同士の組み合わせで捨てることはできません。
これが何を意味するかというと、相手と自分の手札と場札の組み合わせは非対称であり、ゲーム開始時、そのラウンド中自分の手札が全て捨てられるのか、相手がこのラウンド中にどこまで捨てきれるのかは未知数ということです。
自己を見つめ直し、捨てられぬ因果を見切れ
そしてこのゲームの特徴として、各ラウンドは手札をすべて捨てきった時だけではなく、お互いの場札が全て公開された時点で任意にラウンドを終了させその時点での得点を確定させることができるという点です。
すなわち、業我捨-Gogasha-において求められるプレイングとは、手札をすべて捨て切る事ではなく、相手よりも如何に手札が少ない状態で現世を終了させるかという事です。
ここまでの説明した内容を聞けば、先攻で手札を揃え相手からリードを取れば、そのまま次のラウンドからは場札を公開し続け速やかにラウンドを終了させようと思うかもしれません。
しかし、その前にリードを取ったあなたが公開を進める場札に関して考慮すべき点があります。
それは、一度公開された自分の場札が相手の場札とのセットが作れなかった場合、その場札は公開された状態で残り続けるという事です。
公開された場札は、相手のターンになれば正体が確定した場札となってしまう為、もし相手側に同じ絵柄の場札が存在していれば確実に1枚分のアドバンテージを取られてしまう事になります。
場札をめくる度に明らかになるプレイヤーの業
更に言うならば、自ら場札を公開する時は特別な理由が無い限り自分の手札を捨てることのできる絵柄を選択する事になります。つまるところ、公開した場札は高い確率で自分の手札を相手に伝える事になるのです。
この二つの点から、自ら未公開の場札を公開するという行為に対し熟考すべき点が理解できたと思います。
しかし、リスクとメリットは表裏一体です。
デッキが非対称であるため、相手側も現世でのラウンドで公開されたままの場札からアドバンテージが取れるかは未知数です。そのためこの公開された場札に対し相手がどうアクションを取るか、その一点で相手の手札と場札を予測する大きなヒントにもなります。
相手がこちらの公開された場札を利用しないならば、相手の場札に同じ絵柄のカードはなく、ならば手札にも無い可能性が高い、ならば前世(今までのラウンド)で使われたカードから推測するに残りのカードの組み合わせからは……と思考を巡らせ3ラウンド目までにどのようにカルマポイントを減らすかという、大局的な勝利を目指す計画の一助となるでしょう。
勝負を分ける仏カード、しかし天は二仏を与えず
そして忘れてはならないのは仏カードです。
得点計算の際に仏カードはカルマポイント−1点として扱われます。これは、カルマカード2枚分を捨てた場合と同等の得点アドバンテージです。
仏カードは手札の最後の一枚になった時点でラウンドの勝利となり、得点計算上優位に立てるものの、相手と自分の仏カードが揃ってしまった場合、その瞬間にそのラウンドは終了し相手に揃った仏カード2枚(-2点)を渡してしまう事になり、大きく不利を背負ってしまうという非常に強力でありながらリスクを抱えたカードでもあります。
この仏カードの扱いというのは、ゲームの勝敗を分ける重要な分岐点となります。いつ使うか、それとも使わないか、選択は自由です。
しかし一つだけアドバイスをするのであれば、仏カードは前述の理由で揃えて捨てる事ができません。そのため自分が仏カードを握っており相手が握っていないラウンドの場合は、相手に取られたとしても相手は手にした仏を捨てる事ができず、カードを捨てれない1ターン分のロスを抱える事になり確実にラウンドの展開上優位に立つことができます。
3ラウンドのデッキ構築勝負、勝利の鍵は相手の因果となる手札と場札を見抜き、いかに自らの因果を現世に捨て来世へ向かうかです。熱心に修行し現世への業を減らすもよし、業を減らしたいという欲をかきすぎず未練を捨て来世へ向かうもよし、そして先に有利を握ったとしても油断は禁物です。
仏の微笑みは平等にチャンスを与えながら、同時に天は二仏を与えず仏罰を下す事もあります。せめぎ合う因果と業と欲の正しきバランスを保つ知性こそ業我捨-Gogasha-攻略の鍵となるのです。
繰り返される瞬間の読み合いのゲーム
□○GAMESではより深い思考体験をデザインするをテーマにゲームをデザインしてますが、今回は更にそこにカードゲームをテーマにデザインを深掘りしていきました。
業我捨-Gogasha-においては能動的な情報の開示・取得とその繰り返しで自然に起こる読み合いの拡大を試みました。
カードをドローするという行為の意味からゲームを考える
業我捨-Gogasha-をデザインする上で最初に考えたのはドローという行為でした。
山札、相手の手札、場札……ドローする先は様々ですが往々にして手札に外部からカードを引き込むことをドローと呼びます。(ゲームによっては厳密に引く場所が定義されている場合もあります)
このドローという行為ですが、ゲームのプレイ中でうっかり忘れがちな行為ではないでしょうか?
自分のターンの初めに引き忘れ、ターンの終わりに引き忘れ……ゲームが随分先に進んでから手札が少ないことに気づき巻き戻すわけにも行かず他のプレイヤーに謝りながら山札から2枚引くという事もそう珍しい光景ではないと思われます。(実際に僕らのゲーム中でもしょっちゅう起こります)
そういったありがちな光景から僕等は、ドローという行為はカードゲーム上で当然のように存在しながら、それそのものはプレイヤーの意識に定着しにくい弱い行為なのではないかと考えました。
プレイヤーはなぜ手順を忘れてしまうのか?
ドローを忘れてしまう理由として最も多いタイミングは、プレイヤーがゲームに集中している時です。
今ある手札で、今ある場で、どう勝利を手に入れるか真剣に考えている時に、ドローが他のアクションや戦術と比べてインパクトが少なく目立たない時、その行為はプレイヤーの意識から薄れやすくなってしまいます。
これは他のアクションでも起こり得る事ではありますが、単なるリソースの補充など継続的なゲームの進行に必須な行為として設定される事が多いドローというアクションでは、特別な効果や目に見える結果をもたらさない事が多く、このような状況に陥りやすいと言えます。
立体的な戦場による新たな読み合い
業我捨-Gogasha-は、この問題に対しババ抜きというドローが与える影響が非常に強いゲームを軸に、この先ラウンドを続けドローをすべきか否かの判断そのものが戦略となる、瞬間の判断力と戦略的な観察眼が求められるようにゲームをデザインしました。
また、業我捨-Gogasha-では、手札を揃えるだけではなく、場札の開示で揃える事によりカードを捨てられるというアクションを追加しています。これは自らの手札を捨て勝利に近づく為のアクションであると同時に、手札に存在する捨てたいカードを間接的に相手に明かすアクションでもあります。
これにより、ゲームの進行と共に相手から引いた手札と開示した場札から、互いの残された手札を推理する情報を自然に集める事ができます。
また場札が全て開示された時にラウンドを終了させることができるため、ラウンドの最終盤では相手の残りの手札に自分の手札と合うカードが存在するか否か、ドローを行う事の判断自体が戦略の一つとして成り立っています。
そしてデッキを構築し3ラウンドを争う事で、前のラウンドに明かされた情報が次のラウンドの残されたカードを推理する材料となります。それにより、ラウンドの進行と共に残されたカードが明確になって行くためその推理の精度も高まっていきます。
ラウンド中に存在するカードを看破し、どれだけの手札をこのラウンド中に捨て切る事ができるか、そして今のラウンドを続けるべきか、続けないべきか、デッキ構築と場札の存在によってドローという行為が運任せから戦略的な一手になるようにデザインしました。
業我捨-Gogasha-の工夫の一端についてご説明させていただきましたが、これらの試みによって15分のゲームの中で手札と場札という立体的な戦場と3ラウンドという時間軸の移り変わりの中で深い読み合いができるゲームに仕上がったと自負しています。
応援よろしくおねがいします!
□○GAMESは今回で二回目のゲームマーケットの参加となりました!
前回のゲームマーケットでは多くの方々に僕達のゲームを買って頂き、更には宣伝までして頂き本当にありがとうございました!
今回もカクとマルで合計二作品の発売となり、気合と自信を込めて絶対に面白いゲームを作りました!
とはいったもののまだまだ駆け出しのゲームデザイナーですので、まだまだ宣伝不足という所があります。
そのため少しでも多くの人に業我捨-Gogasha-を楽しんで欲しいのでフォロー&リツートで応援よろしくおねがいします!
ではまた東京ビッグサイトの両-ス08でお会いしましょう!□○GAMESのカクとマルがお待ちしています!
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