参列時の「モヤモヤ」から考える、ゲストオリエンテッドな結婚式
以前、トキハナ主催の「#結婚式でつながろう」というイベントにて、夫婦でYoutubeLiveに登壇させてもらった。
「ゲストオリエンテッド」をテーマに結婚式をしたことをお話しさせてもらったのだが、その内容をnoteにもまとめておきたい。
何をもってゲストオリエンテッドか?
結婚式の準備を始めるタイミングで、わたしたちはアラサーだった。20代前半のときと何が違うかというと、友人の結婚式への参列経験が一定蓄積されていることだ。
ありがたいことに、それぞれ過去に10回以上、ゲストとして招いてもらったことがあった。大事な友人の人生の節目に立ち会えることはとても嬉しいし、それぞれに工夫が凝らされていて楽しいのだが、4回目くらいから結婚式のフォーマットが見えてくる。当たり前として実施されているルールやコンテンツに、モヤモヤする部分も多数あると感じていた。
自分たちがゲストとして感じてきたモヤモヤを解消すること、それが私たちの考える「ゲストオリエンテッド」である。
ゲストオリエンテッドの具体化プロセス
具体化な結婚式のイメージをすりあわせるために、夫婦で合宿を行った。
スプレッドシートに、縦軸に参列前・参列中・参列後までの顧客体験を書き出して、横軸に体験の内容、もやもやポイント、本来の目的・意味合い、代替案をまとめられる表を作って埋めていく形で進めた。
(例)
▼参加者の行動
新郎新婦のファーストバイトを見る
▼モヤモヤ
・新郎から新婦へ「一生食べるものに困らせないよ」、新婦から新郎へ「一生美味しい料理を作るね」というメッセージ性が時代にそぐわない
・新婦から新郎に食べさせるときに大きいスプーン出てくる流れ、もう見飽きた
▼本来の目的
ふたりの仲睦まじさを伝える
▼代替案
司会にふたりのなれそめをインタビューしてもらう、鏡開きをする
このワークを通じて、解消すべきもやもやポイントは大きく以下3つに集約できた。
①非効率なプロセス多すぎ
②ジェンダー的におかしい
③新郎新婦の人となりがわからない
モヤモヤ①非効率なプロセス多すぎ
結婚式には、慣習としてまかり通っているけど、企業だったら業務改善コンサルに一蹴されるようなプロセスが残りすぎだと思う。筆頭は出欠回答、ご祝儀支払いである。
私たちはLINE公式アカウント+Googleフォームで出欠確認フローを自動化し、ご祝儀はPayPayで払えるようにした。詳しくは下記のnoteを読んでいただきたい。
モヤモヤ②ジェンダー的におかしい
多くの結婚式場のジェンダー感覚は、令和になってもアップデートされていない。はじまりの挨拶は新郎しかしない、両親への手紙は新婦しか読まないのがまじで謎だった。
個人的にいちばん違和感が強いのが、新婦が手紙を読み上げるときに新郎がマイクを横から持ってあげる、↓このスタイル。
新郎が腕疲れるのでは?新婦が自分でマイク持てるのでは?ていうかマイクスタンド用意すればいいのでは? と常々疑問だった。
私たちは、開会も閉会も、すべての挨拶をふたりですることにした(マイクは自分で持った)。バージンロードやファーストバイト、ブーケトスなど、意味合いが現代にそぐわないと思われるセレモニーはすべてカットした。
モヤモヤ③新郎新婦の人となりがわからない
自分がゲストの立場だと、友人の結婚した相手がどんな人柄なのかが知りたい。
しかし新郎新婦についての情報は、席次表に記載されたプロフィール、乾杯準備中に流れる司会のアナウンス、ムービーから得られるものがほぼ全て。本人たちの言葉や声で伝わる場面が少ない。
とにかく自分たちでマイクを持って話している時間を長くすることにした。会場のスクリーンでムービーを流す代わりに、当日の参列者紹介を投影し、みずからプレゼンした。司会の方にふたりの馴れ初めについてインタビューしてもらうコンテンツを用意した。
また、とにかく歓談の時間を増やしたかったので、通常40分ほどかかるお色直しをまるっとカットした。
そのほか、
・「帰り道に引き出物が重たい」という状況を避けたかったので、おみやげはプチギフトのみとした。引き出物に通常かかるコストはゲストに還元すべく、ご祝儀(≒30,000円)ではなく25,000円の会費制にした。
・アルコールの飲めないゲストにもドリンクの選択肢を増やすべく、ソフトドリンクを持ち込んだ。
など、ゲスト目線で「こうだったらいいな」と思っていたことを洗いざらい折り込むことができ、参列してくれた友人たちには好評だった。
私たち夫婦のように、参列経験のなかで結婚式のフォーマットが見えてきてしまい、そこに疑問を感じているカップルに、参考にしていただけるとうれしい。
▼マガジンにもまとめてます
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